再生医療への応用を指向したほ乳類内耳発生におけるリン酸化シグナルの機能解析

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23592496
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 耳鼻咽喉科学
• 研究機関: 順天堂大学
• 研究代表者: 村田 潤子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80332740)
• 研究分担者: 木村 透 北里大学, 理学部, 教授 (50280962)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: Pi3K/Aktシグナル伝達系 / PTEN / PTEN ckoマウス / ほ乳類 / 内耳発生 / 感覚上皮予定領域 / 有毛細胞

研究概要

PTENは癌抑制遺伝子産物でありPI3K/Aktシグナルに拮抗する。我々はマウスの内耳特異的にPTEN遺伝子を欠失させる（PTEN CKOマウス）ことで哺乳類蝸牛発生におけるPTENの役割の解明を試みた。
PTEN CKOマウス蝸牛では、蝸牛管径は増大し感覚上皮予定領域外で細胞増殖が遷延化していた。有毛細胞に過剰列が観察されたが蝸牛管長はコントロールに比して短くなっていた。CKOマウスでは感覚上皮前駆細胞マーカーの発現パターンには変化がなかったが、有毛細胞分化は促進されていた。以上からPTENの感覚上皮予定領域決定以降での細胞の分化／増殖制御と、蝸牛管の収斂伸長への関与の可能性が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] Spatio-temporal expression of TRPM4 in the mouse cochlea (2014)
  • 著者名/発表者名: Sakuraba M, Murata J (Corresponding author), Teruyama R, Kamiya K, Yamaguchi J, Okano H, Uchiyama Y
  • 雑誌名: Ikeda K J Neurosci Res 巻: (Epub ahead of print)
  • DOI: 10.1002/jnr.23410.
  • 査読あり
• [雑誌論文] Subclassification of chronic rhinosinusitis with nasal polyps based on eosinophil and neutrophil (2013)
  • 著者名/発表者名: Ikeda K, Shiozawa A, Ono N, Kusunoki T, Hirotsu M, Honnma H, Saitoh T, Murata J
  • 雑誌名: Laryngoscope 巻: 123(11) ページ: 1-9
  • 査読あり
• [雑誌論文] 周囲構造への浸潤がみられた副鼻腔真菌症の2例 (2012)
  • 著者名/発表者名: 宇野敦彦、村田潤子、西池季隆、西村洋、今井貴夫、太田有美、池田勝久、猪原秀典
  • 雑誌名: 耳鼻臨床 巻: 1105 : 1 ページ: 21-26
  • 査読あり
• [雑誌論文] 鼻副鼻腔内反性乳頭腫32例の検討 (2011)
  • 著者名/発表者名: 津田武、西池季隆、川島貴之、村田潤子、喜井正士、田村学、猪原秀典
  • 雑誌名: 耳鼻臨床 巻: 104 : 6 ページ: 427-433
  • 査読あり
• [学会発表] Expression of TRPM4 in the mouse cochlea and its putative roles in the potassium ion transport and the inner hair cell repolarization (2014)
  • 著者名/発表者名: Murata J, Sakuraba M, Teruyama R, Kamiya K, Yamaguchi J, Okano H, Uchiyama Y, Ikeda K
  • 学会等名: (The 37th Annual Midwinter Meeting of ARO
  • 発表場所: Manchester Grand Hyatt, San Diego, CA, USA
  • 年月日: 20140222-26
• [学会発表] 内耳発生におけるTRPM4の発現変化とEP形成との関連について (2013)
  • 著者名/発表者名: 村田潤子、城所淑信、松岡理奈、池田勝久順天堂大学医学部耳鼻咽喉科
  • 学会等名: 第13回日本耳科学会総会・学術講演会
  • 発表場所: 宮崎シーガイアコンベンションセンター、宮崎
  • 年月日: 20131124-26
• [学会発表] ESS後にアスピリン減感作療法を併用したAIAの臨床経過と末梢リンパ球上のサイトカイン発現について (2013)
  • 著者名/発表者名: 村田潤子、本間博友、齋藤達矢、西村将彦、小野倫嗣、沖崎貴子、岡田弘子、池田勝久順天堂大学医学部耳鼻咽喉科
  • 学会等名: 第52回日本鼻科学会総会・学術講演会
  • 発表場所: 福井フェニックスプラザ、福井
  • 年月日: 20130926-28
• [学会発表] 癌抑制遺伝子PTENの哺乳類内耳発生における役割の検討 (2013)
  • 著者名/発表者名: 村田潤子、池田勝久順天堂大学医学部耳鼻咽喉科
  • 学会等名: 第114回日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会
  • 発表場所: ロイトン札幌・ホテル札幌芸文館、札幌
  • 年月日: 20130515-18
• [学会発表] PTEN Plays Multiple Roles by Regulating Both PI3K/Akt and MEK/Erk Signaling Pathway During the Mammalian Inner Ear Development (2013)
  • 著者名/発表者名: Murata J, Sakuraba M, Kimura T, Suzuki A, Mak T, Okano H, Nakano T, Ikeda K
  • 学会等名: The 36th Annual Midwinter Meeting of ARO
  • 発表場所: Baltimore Marriott Waterfront Hotel, Baltimore, Maryland)
  • 年月日: 20130216-20
• [学会発表] ESS後にアスピリン減感作療法を施行したAIAの予後について (2012)
  • 著者名/発表者名: 村田潤子、斉藤達矢、西村将彦、本間博友、沖崎貴子、池田勝久、熱田了、高橋和久
  • 学会等名: 第51回日本鼻科学会総会・学術講演会
  • 発表場所: 幕張メッセ、千葉
  • 年月日: 20120927-29
• [学会発表] The Expression of Fbxo 45 in the Developing Inner Ear (2012)
  • 著者名/発表者名: Sakuraba M, Murata J, Tada H, Shibata S, Kamiya K, Okano H, Ikeda K
  • 学会等名: 35^<th> ARO MidWinter Meeting
  • 発表場所: The Manchester Grand Hyatt Hotel San Diego, California, USA)
  • 年月日: 20120225-29
• [学会発表] 再生医療への応用を指向した内耳発生研究:内耳感覚上皮前駆細胞の増殖と分化に関与するシグナル伝達経路の解明 (2011)
  • 著者名/発表者名: 村田潤子、神谷和作、岡野栄之、池田勝久
  • 学会等名: 第21回日本耳科学会総会・学術講演会
  • 発表場所: 沖縄コンベンションセンター(沖縄県宜野湾市)
  • 年月日: 20111124-26
• [学会発表] Sternberg's canalからの髄膜瘤に伴う特発性髄液漏の2症例とその治療経験 (2011)
  • 著者名/発表者名: 村田潤子、畠将晃、飯塚崇、笠井美里、岡田弘子、本間博友、小野倫嗣、広津幹夫、楠威志、池田勝久
  • 学会等名: 第73回耳鼻咽喉科臨床学会総会・学術講演会
  • 発表場所: 松本文化会館(長野県松本市)
  • 年月日: 20110623-24
• [学会発表] 内視鏡下に経上顎洞的に開放し得た側頭下窩粘液嚢胞の一例 (2011)
  • 著者名/発表者名: 村田潤子、飯塚崇、加瀬香、笠井美里、小野倫嗣、楠威志、池田勝久
  • 学会等名: 第112回日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会
  • 発表場所: 国立京都国際会館(京都市)
  • 年月日: 20110519-21
• [学会発表] 内視鏡手術後に再燃したASA合併難治性慢性副鼻腔炎に対するアスピリン減感作療法の経験 (2011)
  • 著者名/発表者名: 村田潤子、飯塚崇、斉藤達矢、笠井美里、岡田弘子、熱田了、高橋和久、池田勝久
  • 学会等名: アスピリン不耐症・難治性喘息研究会2011
  • 発表場所: AP品川(東京都品川区)
  • 年月日: 2011-11-12
• [学会発表] 内視鏡手術後に再燃したASA合併難治性慢性副鼻腔炎に対するアスピリン減感作療法の経験 (2011)
  • 著者名/発表者名: 村田潤子
  • 学会等名: 第60甲斐御茶の水耳鼻咽喉・頭頸科治療研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2011-04-14
• [図書] Notch Signaling and the Developing Inner ear in'Notch Signaling in Embryology and Cancer'(Chapter 12) edited by Jorg Reichrath and Sandra Reichrath (2012)
  • 著者名/発表者名: Murata J, Ikeda K, and Okano H
  • 出版者: Landes Bioscience and Springer