研究概要 |
研究にはC57BL/6マウス(Wild-type JNK+/+, JNK1-/-, JNK2-/-)を用いる。マウス中耳炎モデルに従ってこの3種類のC57BL/6マウス(Wild-type JNK+/+, JNK1-/-, JNK2-/-)に細菌性中耳炎を発症させる。これまでの私の研究によりJNK2が細菌性中耳炎において中耳粘膜肥厚にもっとも関与している可能性が高い(Jun N-terminal protein kinase enhances middle ear mucosal proliferation during bacterial otitis media.Furukawa M, Ebmeyer J, Pak K, Austin DA, Melhus Å, Webster NJG, Ryan AF. Infect Immun. 75(5):2562-71,)ことが分かっている。そこで細菌性急性中耳炎を発症したJNKノックアウトマウス(JNK1-/-, JNK2-/-)にて中耳粘膜肥厚においてJNK1とJNK2の役割を明らかにする。急性中耳炎は発症後8日目には自然軽快してくるが、その時間経過中の中耳粘膜肥厚においてJNK1とJNK2の役割も明らかにする。本研究の独創的特色は、細菌性中耳炎において引き起こされる中耳粘膜肥厚の分子制御を世界に先駆けて解明する事である。更にJNK阻害剤により中耳粘膜肥厚の治療を可能にし、癒着性中耳炎等の回復不能な中耳疾患に対する治療を世界に先駆けて開発することである。
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