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2011 年度 実施状況報告書

対話型進化的計算による人工内耳フィッティング技術の開発と解析

研究課題

研究課題/領域番号 23592503
研究機関福岡大学

研究代表者

中川 尚志  福岡大学, 医学部, 教授 (70274470)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード人工内耳 / プログラミング / 進化論的アルゴリズム / 聴取度
研究概要

最も普及しているコクレア社製人工内耳を対象にした臨床研究を行った。プログラムの作成において、予想しなかった動作が生じたため、複数回の書き換えが必要であった。また安全性を確保するためのプログラムの追加など行った。また進化論的アルゴリズムを行うためには複数対のプログラムペアを作る必要がある。どのぐらいの対が必要か試行錯誤を行い、現在、16対でおこなっている。この点については、再考する可能性がある。これらの準備を行ったうえで、2名の協力的な被験者に対して、申請書に記載した要領で臨床研究を行っている。ひとりは語音明瞭度が60から70%と比較的な良好で、もうひとりは10から20%と明瞭度が不良である。それぞれについて8および6セッション行っているところである。前者は80%へ明瞭度が改善している。しかし、音が小さく聴こえるという自覚がある。このことについては感度の調整など他の手段で解決をはかる予定である。まだ改善がみられているので、現状の方法を継続する予定である。もうひとりの被験者は20から30%と改善がみられているが、まだ満足する結果に至っていない。セッションの回数も少なく、今後、継続していく予定である。研究前に予想しなかったこととして、実際の生活環境でその効果が変化するとのことで、騒音負荷やどのような日常生活で不便を感じるかなど、プログラム選択における工夫が必要なことが示唆されており、可能であれば、研究期間内での課題としたいと考えている。また被験者を増やすことで、聞き取りにはどのような要因が大切なのか、検討を同時に行っていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実際に臨床研究をスタートしてから、プログラムそのものの不具合や方法についての再考が必要となった。

今後の研究の推進方策

研究に使用するプログラムの大幅な変更はほぼ終了し、2名の被験者に頼んで、臨床研究が進んでいる。今年度の学会で症例報告できるレベルの結果がうち1名ででている。今後、方法の不備な点を見直しながら、人数を増やす予定である。また他の人工内耳メーカーからも研究の取り組みについて関心がよせられており、対象機種を増やすつもりである。また音環境による違いで差がでるなど、予想をしなかった結果がでてきているので、そのことについても詳細に取り組みたいと計画しているところである。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度は研究成果を発表するまでに至らなかったため、旅費の使用をしなかった。平成24年度は大阪で行われる日本音声言語医学会で初期データを発表できる予定である。参加人数を増やす予定であるので、今後、被験者に対する謝金として使用する見込みである。昨年同様、プログラムを実用化し、解析するための人件費および物品費に使用する。雑音負荷に用いる機器やソフトの購入を繰越金を用いて、可能なら今年度行いたい。

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公開日: 2013-07-10  

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