各チャンネルのTレベルとCレベルを変数とした.22チャンネルだと各プログラムで44個の変数を対話型進化計算に基づいて生成した.最初にプログラムを16種類作成(第1世代)し、これらからアルゴリズムにより16種類(第2世代)を作成の上、各々比較するプログラムを16対,用意した。次に小説を朗読しているCDを聴取してもらい,それぞれの対で聞き易いと感じた個体を選択.これを勝者とした.複数世代を繰り返した結果,勝ち残った16対の中で最も聞き易い個体を選択,音場で語音明瞭度検査を施行した.プログラム作成時に以下の点に留意した。C値を探索する領域は過剰な電荷が加わらないように従来のプログラミングで決定したC値以下の値とした(上限の設定).以下にあげた探索範囲が異なる3種類のソフトを使用した.(1)探索の初期値を入力せずに従来のプログラミングで決定したC値とT値を用い, C値とT値をそれぞれの刺激レベル以下で探索.(2)従来の手法で得られたプログラムを初期値として入力して,(1)と同様の方法で探索.(3)従来の手法で得られたプログラムを初期値として入力して, C値とT値がいれかわらないように各値をC値以下で自由に探索.上述した手順により、装用者本人にしかわからない音感を基準に作成(patient-oriented method)できた.IDEフィッティングでも高い語音明瞭度が得られた.チャンネル間でT値とC値が著しく異なり,広いダイナミックレンジが必須でなかった.最適な解をえるための探索するパラメーターの種類,範囲など更なる検討が課題(探索方法の確立)として残った.また、ユーザの疲労が問題点(1世代に30~60分)で、患者負担の軽減が必要と感じた.
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