研究課題/領域番号 |
23592504
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
松延 毅 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 准教授 (00332205)
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研究分担者 |
塩谷 彰浩 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 教授 (80215946)
佐藤 泰司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 講師 (10505267)
佐藤 俊一 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター, 准教授 (90502906)
川内 聡子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター, 助教 (20506505)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 酸化ストレス / 難聴 / アポトーシス |
研究概要 |
我々は、生体組織の細胞や細胞小器官、分子レベルの情報を非侵襲かつリアルタイムで観察可能な光学的手法に着目した。とりわけ組織の血行動態を反映する内因性の光吸収信号や、細胞・細胞内小器官の形態変化を反映する光散乱信号を計測する手法が有力と考えた。組織のバイアビリティーは細胞のエネルギー産生状態だけでなく,細胞や細胞小器官の形態維持と密接に関連することから,これらの形態変化を鋭敏に反映する光散乱は、特にバイアビリティーの有効な指標になると期待される。本研究ではこの技術を応用して、現在不可能である内耳組織のバイアビリティーの直接の計測を行う技術を確立することを目標とした。平成23年度は内耳低酸素モデルを用いて、内耳組織の光散乱の変化が実際の聴覚機能の変化を反映しているかを機能的に検討した。聴覚機能(内耳機能の評価は歪成分耳音響放射を用いる。生体蝸牛組織の光散乱信号と聴覚機能がかなり相関することが示唆された。アルツハイマー病に対してT-817MAというPKCのトランスロケーションを介して酸化ストレスから神経細胞を保護し治療効果を発揮する薬剤が開発された(現在米国にて臨床治験中)。T-817MAの内耳圧外傷に対する予防効果について我々はすでに報告している(Maekawa et al. 2009). 今回われわれは臨床治験を目標に音響外傷モデル動物にT-817MAを投与し音響性内耳障害に対する有効性を機能的(聴覚)および組織学的(細胞保護効果)等について詳細に検討を行い、効果を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各々の研究項目共に、研究機器、手法、モデルが確立しつつある。また、急性感音難聴のメカニズムの解明のためのノックアウトマウスの解析も順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、残り2カ年であるが、確立したモデル、手をもとに実際のErk2, caspase-9,3, iNOSなどの酸化ストレス関連分子の動態を捕らえ難聴発症のメカニズムに迫る。また、新規治療法の開発も円滑に進めるために各分担研究者と密に連絡を取りながら研究を遂行する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
主に消耗品(試薬・抗体など)、学会出張旅費に充てるが、研究遂行のために積極的に学会発表および論文発表を行ってゆきたい。
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