研究課題
【緒言】カロリー制限は長寿遺伝子の発現や酸化ストレスの軽減を介して、哺乳動物において様々な老化関連疾患の発症を抑える介入方法とされている。一方で、カロリー制限は細胞増殖を抑制し、創傷治癒が遅延するなどの負の効果も知られている。本研究では、カロリー制限が嗅覚システムにどのような影響を与えるのかについて、組織学的な解析を行った。【対象と方法】C57BL6マウスをカロリー制限群と対照群の2群に分けて飼育した。それぞれにメチマゾールの腹腔内投与により可逆的な嗅上皮傷害を与え、傷害後1週の時点で基底細胞の増殖能を、傷害後2ヶ月の時点で成熟嗅細胞数をカウントし2群間で比較した。【結果と考察】カロリー制限群では対照群に比べ傷害後1週の時点で嗅上皮基底細胞の増殖が有意に少なく、また傷害後2ヶ月の時点で成熟嗅神経細胞数が有意に少なかった。カロリー制限は嗅上皮傷害後の再生過程において新生細胞の産生量低下を誘導し、結果として嗅覚機能の低下を引き起こすと予想する。
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Laryngoscope
巻: 124 ページ: E115-122
10.1002/lary.24462.
http://www.h.u-tokyo.ac.jp/orl/