• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

難治性副鼻腔炎におけるトランスフォーミング成長因子αの役割と治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592508
研究機関三重大学

研究代表者

石永 一  三重大学, 医学部附属病院, 講師 (50335121)

キーワードMUC5AC / TGFα / IL-31 / Th2サイトカイン
研究概要

昨年度はTGFαが好酸球性副鼻腔炎患者においてMUC5AC遺伝子発現を亢進させていることを証明し、その業績は既に2011年にPharmacologyに掲載されている。これによりTGFαが好酸球性副鼻腔炎患者における粘液産生に深く関与していることが証明された。本年度はさらに本研究をすすめるべく、好酸球性副鼻腔炎モデルマウスの作成を行っているが、これは今のところ理想条件には至らず、引き続き検討を行っているところである。またTGFαが誘導するMUC5AC遺伝子発現の亢進におけるシグナル伝達機構の解明として、ERKシグナリング以外の関与も検討しているが、現在のところ有意な伝達経路は発見出来ていない。
また本年度はTGFαに加えて、IL-31という別のサイトカインがMUC5AC遺伝子発現に及ぼす影響も併せて検討した。まずヒト鼻組織を用いてIL-31やIL-31受容体が存在していることを証明した。さらに定量的PCR法やルシフェラーゼアッセイ法などを用いて検討し、IL-4,IL-9,あるいはIL-13などの他のTh2サイトカインとも協同的に働き、MUC5AC遺伝子発現を亢進させることも証明した。この仕事も2013年2月にPharmacologyに掲載された。本研究にてMUC5AC遺伝子発現に関与する新しいサイトカインが証明され、好酸球性炎症やアレルギー性炎症の機序の解明の一助になっていると思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

少なくともTGFαが好酸球性副鼻腔炎患者においてMUC5AC遺伝子発現を亢進させていることを証明し、その業績は既に2011年にPharmacologyに掲載されている。本研究での第一目標は既に達成できたと考えられる。しかしながら今で有効な好酸球性副鼻腔炎モデルマウスが作成出来ておらず、今後の課題と考えられる。
また今年度はTGFα以外のサイトカインのMUC5AC遺伝子発現に及ぼす影響も検討し、IL-31が有意に亢進させることを証明しえた。これは好酸球性炎症やアレルギー性炎症における粘液産生の機序のひとつを解明したと思われる。
この2点において、当初の計画以上に研究が進展していると思われる。

今後の研究の推進方策

本年度は好酸球性副鼻腔炎モデルマウスを確立したい。またTGFαが誘導するMUC5AC遺伝子発現の亢進におけるシグナル伝達機構の解明として、ERKシグナリング以外の関与も引き続き検討していきたい。またTGFαがMUC5ABを誘導するか、もししなければTGFβがMUC5AB遺伝子発現を亢進するかも検討したい。

次年度の研究費の使用計画

各種試薬の購入、マウスの購入に使用する予定である。また研究発表のための旅費、論文作成にかかる費用に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Effects of Interleukin-31 on MUC5AC Gene Expression in Nasal Allergic Inflammation.2013

    • 著者名/発表者名
      Shah SA, Ishinaga H, Hou Bo, Okano M, Takeuchi K.
    • 雑誌名

      Pharmacology

      巻: 91 ページ: 158-164

    • DOI

      DOI: 10.1159/000346609

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi