IgA腎症はその20%が透析に陥る予後不良の慢性糸球体腎炎である。以前より本疾患は扁桃病巣疾患の代表的疾患とされ、扁桃摘出術で尿所見が改善する。しかし、本疾患概念は他科の医師にはあまり浸透していない。我々はIgA腎症と口蓋扁桃の関連を基礎的に証明し、他科医師への疾患概念の啓蒙、扁桃摘出の有効性を予測する因子の解明を目指している。 今回の検討ではIgA腎症扁桃から産生されるAPRILが本疾患の病因となるIgAの過剰産生に寄与していること、扁桃T細胞がCXCR3と言うケモカインを介して直接腎糸球体へ移行し腎炎を増悪させていることを明らかにした。今後もさらなる検討を進めるつもりである。
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