喉頭癌・咽頭癌の治療戦略において放射線治療は機能温存治療として重要であるが、治療後の嚥下障害が大きな問題である。放射線治療後の嚥下障害を解析するために嚥下造影の定量的解析、嚥下内視鏡下の喉頭感覚検査、嚥下圧測定を前向き試験として行った。放射線治療後は全例で有意な喉頭感覚の低下がみられ、気道防御反射への影響が示唆された。一方、放射線治療の1か月後、3ヶ月後の嚥下造影や嚥下圧の解析においては一定の傾向がみられなかった。喉頭感覚が低下しても、咽頭期惹起遅延には影響しなかった。これは咽頭期惹起のトリガーがより上位にあることを示唆すると考えられた。
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