頭頸部癌患者の20-30%に上部消化管、上気道の重複癌を認め、日常臨床の現場では大きな問題となっている。重複癌が多い理由として喫煙をはじめとした発がん要因が広範囲に上気道粘膜に暴露される(フィールド癌化)ことが挙げられる。本研究は、レチノイン酸(ビタミンA誘導体)により上記のフィールド癌化が予防(化学予防)できないかを、動物(ハムスター)発癌モデルを用いて解析した。13-cis-レチノイン酸にて一定の癌発生の抑制効果を認めたが統計学的に有意な結果には至らなかった。個体数をふやして研究は継続の予定である。
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