研究概要 |
これまで252例の頭頸部悪性腫瘍,72例の頭頸部良性腫瘍,120例の正常コントロールから血液サンプル,腫瘍組織を採取した。腫瘍は全血からgenomic DNA抽出,腫瘍からDNA・RNA抽出,cDNA作成をおこなった。1)生活習慣に関する遺伝子多型:中咽頭癌・下咽頭癌・喉頭癌,正常コントロールの解析をおこなった。ADH1B,ALDH2,CYP1A1/2A,CYP1A1m1,CYP1*2C,CYP1A1m2,GST-M1,GST-T1,GST-P1について解析をおこなった。現在臨床像との解析を多重解析で検討中である。ADH1B,ALDH2と多重癌については従来の報告と同様の結果であった。2)HPVウイルス感染 integration siteに関して引き続き解析をおこなったが,技術上の問題があり20%程度の解析にとどまった。予後の関係について解析し,中咽頭癌だけでなく,全頭頸部癌でみても,HPV陽性例で予後がよいことを発見し,国際誌に発表した。3)HPVに関するPCRとp16免疫染色の関係を調査し,mRNA発現が高いものはp16染色性が強いことを発見した。さらにin situ hybiridization法を用いて,EB virusとHPVの共感染と予後の関係について検討している。
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