研究課題/領域番号 |
23592540
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
牧山 清 日本大学, 医学部, 准教授 (00139172)
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研究分担者 |
新美 成二 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (00010273)
平井 良治 日本大学, 医学部, 助教 (70409027)
角田 晃一 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, その他 (30197751)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 発声機能検査 / 高速デジタル撮影 / 位相差 / 音声障害 |
研究概要 |
平成23年度に音声障害患者に対して200件以上の気流阻止法による発声機能検査を施行した。その半数は重症患者であった。重症音声障害患者の半数に超高速CCDカメラを用いた高速デジタル撮影検査を施行した。気流阻止法検査を解析した結果、個々の症例により声門抵抗の程度に差があることが明らかになった。高速デジタル撮影検査結果から位相差を解析する手法を開発した。従来の解析手法であるキモグラフィー画像から左右、あるいは前後の振動ピークのズレを測定することで位相差を測定するソフトを解析した。各周期に対する位相差の時間比率で表すようにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多くの音声障害症例に対して気流阻止法による発声機能検査を施行することができた。このデータ収集は現在も進行中であり、重症音声障害症例の正確な抽出は行っていない。高速デジタル撮影検査は経口腔法による硬性内視鏡を使用する。重症音声障害患者の中には咽頭反射が強く、この検査が施行できない症例も少なくない。全ての対象患者に対して本検査を施行することはできなかったが、数十例の重症症例で検査を行うことができた。国内はもちろん海外でもこれだけの症例に対して気流阻止法と高速デジタル撮影検査データを収集した施設はないと考えられる。この進行度で研究が進めば解析に十分な症例が蓄積可能である。位相差測定ソフトについては研究計画通りにほぼ完成した。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続いて症例の蓄積を続ける。それと並行して、検査を施行した中から、発声機能検査と高速デジタル撮影検査が解析可能であった症例を抽出する。発声機能検査では発声時呼気圧、声門抵抗を反映する気道抵抗値、さらに可能なら音圧を上昇させた際の呼気圧や気道抵抗値の変化などについて検討を開始する。高速デジタル撮影検査では、声門波形解析、声門振幅解析、さらに前年度に作成した位相差解析を開始する。
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次年度の研究費の使用計画 |
解析すべき検査データが蓄積してきている。この解析を施行するためには人件費や謝金が生じる。解析に要する時間や日数により費用が決定されるが、予算を消費するまで研究を続行し、予算残高がなくなった場合は解析を次年度に持ち越す。解析用PCの新規購入やPC周辺機器の整備が必要になると予想している。機器の整備は研究を開始する時点で必要なものと、研究を進めていく中で随時必要になるものがある。本研究でも、前年度に整備する予定であったが研究の進行に伴い本年度に持ち越した機器もある。前年度から本年度に持ち越した研究費を含めた物品費で本年度中に整備を行う予定である。
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