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2013 年度 実績報告書

構音の聴覚帰還制御特性の解明と脳内機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23592543
研究機関国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)

研究代表者

森 浩一  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 感覚機能系障害研究部, 研究部長 (60157857)

研究分担者 蔡 暢  独立行政法人情報通信研究機構, その他部局等, その他 (50510591)
キーワード医療・福祉 / 神経科学 / 制御工学 / 言語学 / 聴覚フィードバック / 吃音 / 発声 / 発話制御
研究概要

発声の聴覚フィードバック(帰還)による制御の特性を求める方法として,閉ループで測定すると,最も早い潜時の応答以外は解析することが困難なため,ステップ刺激を開ループで聴覚に加え,音声の応答を求める方法を採用した。
音声基本周波数F0の聴覚帰還応答について調べると,平均では刺激を補償するような応答が見られた。主成分分析を用いて解析すると,F0応答は変化の早い,中間,遅いの3成分に分かれ,音声への注意によって,主に遅い方の成分の利得が減弱ないて反転した(OkazakiらJASA, 2014, 136: 334-340)。データを詳細に見ると男女差があり,また,一部の吃音者では制御特性が異なっているようであった。男女差については,F0が高いことによる影響もあると考えられる。
聴取する音声のホルマントに周波数変調を掛けて聴覚帰還応答の特性を測定する実験では,応答が出る割合が少ないという問題があったため,方法を見直した。シミュレーション波形を合成して分析したところ,一般的なホルマント分析方法であるLPC分析では,第2ホルマントF2を第1ホルマントF1と独立に分析することが困難で,検出したい周波数程度の変化が,F1を変化させただけでもF2に出てしまうことが判明した。F2の変調がF1の分析結果及ぼす影響は,F1からF2への影響ほどは大きくはなかった。そのため,F1の応答のみを測定することとした。その結果、F1のステップ刺激に対して、発声したF1が同じ方向に動く被験者と、逆方向に動く被験者がいることが分かった。
fMRIで単語発話時の脳機能を測定してきたが,近赤外分光法NIRSによって同様の実験ができるようにした。これにより,単語を読む部分と発話する部分を分離して記録することができるようになる。吃音者では聴覚野の活動低下や,Broca野,運動前野が非吃音者と異なるという結果が得られた。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Principal component analysis reveals differential attentional modulation of the vocal response to pitch perturbation2014

    • 著者名/発表者名
      Shuntaro Okazaki, Koichi Mori, and Minae Okada
    • 雑誌名

      Journal of the Acoustical Society of America

      巻: 136 ページ: 334-340

    • DOI

      10.1121/1.4881921

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 吃音の研究について:脳機能と発話制御2013

    • 著者名/発表者名
      森浩一
    • 雑誌名

      全言連ニュース

      巻: 115 ページ: 7-9

  • [学会発表] 合成音による疑似聴覚フィードバックにおける音声の応答特性2014

    • 著者名/発表者名
      阿栄娜, 森浩一, 越智景子, 小倉淳, 錦戸信和
    • 学会等名
      日本音響学会2014年秋季研究発表会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20140903-20140905
  • [学会発表] 柔らかい起声時の音響的特徴2014

    • 著者名/発表者名
      越智景子, 酒井奈緒美, 森浩一, 青木淳
    • 学会等名
      日本音響学会2014年春期研究発表会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20140310-20140312
  • [学会発表] 視覚的にフィードバックを与えたさいの吃音者・非吃音者の発話速度の調整2013

    • 著者名/発表者名
      越智景子, 青木淳, 酒井奈緒美, 森浩一
    • 学会等名
      第58回日本音声言語医学会総会・学術講演会
    • 発表場所
      高知
    • 年月日
      20131017-20131018
  • [学会発表] 成人吃音のメカニズム2013

    • 著者名/発表者名
      森浩一
    • 学会等名
      平成25年度音声言語機能等判定医師研修会
    • 発表場所
      所沢
    • 年月日
      20131002-20131004
    • 招待講演
  • [学会発表] 吃音の有無における聴覚フィードバックに対する構音の制御応答の比較2013

    • 著者名/発表者名
      錦戸信和, 森浩一, 酒井奈緒美, 北條具仁
    • 学会等名
      日本吃音・非流暢性障害学会第1回大会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      20130921-20130922
  • [学会発表] NIRSによる発話時の脳賦活測定の試み

    • 著者名/発表者名
      青木淳, Chu Shin Ying, 越智景子, 阿栄娜, 森浩一
    • 学会等名
      第16回日本光脳機能イメージング学会
    • 発表場所
      東京
  • [学会発表] 吃音者と非吃音者のシャドーイングにおける聴覚処理の容量

    • 著者名/発表者名
      阿栄娜, 森浩一, 酒井奈緒美, 越智景子
    • 学会等名
      日本音響学会聴覚研究会
    • 発表場所
      名古屋

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公開日: 2015-05-28  

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