研究課題/領域番号 |
23592546
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
馬場 優 奥羽大学, 歯学部, 准教授 (40597663)
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研究分担者 |
藤井 正人 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, その他 (70129633)
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キーワード | 頭頸部癌 / デグエリン / EGFR / IGF1R / AKT / ERK / EGFR阻害剤耐性 |
研究概要 |
1.デグエリンはSCC-4細胞において、燐酸化型AKT蛋白発現を抑制した。2.デグエリンはSCC-4細胞において、燐酸化型ERK蛋白発現を抑制した。3.デグエリンはSCC-4細胞において、燐酸化型IGF1R蛋白発現を抑制した。4.デグエリンはSCC-4細胞において、Total EGFR蛋白発現を抑制した。5.SCC-4細胞には、constitutiveに燐酸化型EGFR蛋白発現は検出されなかった。6.デグエリンのSCC-4細胞に対するアポトーシス誘導能に、燐酸化型AKT蛋白発現の抑制あるいは、燐酸化型ERK蛋白発現の抑制どちらが関与しているかを調査するため、我々はSCC-4細胞に対して、選択的PI-3 kinase/AKT inhibitorであるLY294002と、選択的MEK inhibitorであるU0126を使用した。その結果、LY294002により燐酸化型AKTを阻害するとアポトーシスの指標であるcleavage-PARPの発現が上昇し、一方、U0126により燐酸化型ERKを阻害するとcleavage-PARPの発現が上昇しなかった。これらの結果は、デグエリンのアポトーシス誘導能に、燐酸化型ERKの阻害よりむしろ燐酸化型AKTの阻害が関与していることを示している。7. デグエリンはHSC-4細胞において、EGFで刺激されたAKTの活性化を阻害することに伴いアポトーシスを誘導した。以上の結果から、デグエリンは、頭頸部扁平上皮癌においてEGFR-AKT pathwayおよびIGF1R-AKT pathwayを抑制することにより、アポトーシスを誘導することが示唆された。IGF1R-AKT pathwayがEGFR阻害剤耐性機構の一つであると推察されているため、デグエリンがEGFR阻害剤耐性を克服する可能性が示唆された。
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