研究課題/領域番号 |
23592549
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤川 恵子 北海道大学, 保健科学研究院, 客員研究員 (70374246)
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研究分担者 |
相原 一 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80222462)
井上 馨 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (80133718)
朝岡 亮 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00362202)
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キーワード | 緑内障 |
研究概要 |
平成24年度の研究計画としては、①高精度の侵襲的方法(マイクロニードル法)による、Vav2/3KOマウスとVav2KOマウスの眼圧の測定があった。実行した結果は、これまでのより簡便なトノメーター® による測定値と同様で、高眼圧マウスであることが確認できた。またμニードル法にて眼圧をこれまでより、長期にわたって(28週まで施行)測定して、このマウスの高眼圧が長期にわたって保たれていることが判明した。これまでの高眼圧モデルとは、人工的にレザー照射により作成される動物モデルであったが、その高眼圧持続が1,2週間と短期間であったため、使用する効果が限定されていた。今回の結果により、Vavマウスシステムはこの点を改善する優れたものであることが、わかった。 ②平成23年度の継続として、Vavマウスの視神経経路障害についての検討を行った。2008年のアメリカのM.Greenbergらの報告(Neuron,2008)では、Vav2/3Koマウスにおいては、網膜神経節細胞から視床の外側膝状体に投射する視覚路に同側性の欠損が認められ、それはVav分子のアクソンガイダンスの機能がうしなわれたことによるのではないかと報告されていた。しかし、われわれのより詳細な検討では、外側膝状体への投射は少なくとも生後のP21では異常は認めず、より早期のVav分子のアクソンガイダンスの機能欠失とは考えられなかった。平成25年度にはより詳細に検討を行って報告する予定である。 ③Vav欠損マウスにCFP蛍光マウスをかけあわせた系についての検討。掛け合わせには成功し作成できたが、まだ十分な数のマウスを繁殖させるのに至っていないため、ことしは数を増やして網膜神経節細胞の評価に進む予定で実験計画をたてている。 これまでの成果は平成25年4月5日に東京で開かれた、日本眼科学会にて発表された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
眼圧測定と眼球組織の検索が順調に進行した
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今後の研究の推進方策 |
予定通りの進行の見込み
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は分担研究者が中途退職により研究分担者から外れたため、若干の未使用資金が発生した。この未使用分は研究代表者藤川恵子が物品購入に当てる予定である
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