研究課題/領域番号 |
23592560
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 美保 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (50252242)
|
研究分担者 |
彦谷 明子 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80464113)
|
キーワード | 斜視 / 再手術 / 術中調整法 / 間欠性外斜視 / 調整力 / 屈折 |
研究概要 |
1)内斜視術後外斜視にたいしては、再手術後2年以上経過した症例を蓄積して検討した。その結果、安定した経過をたどっていることが明らかで現在論文作成をしている。 2)より精度の高い斜視手術方法については、甲状腺眼症に対する斜視手術で術中調整法を行い術後2年以上経過した症例について、調整糸法で筋を移動した群と、そうでない群を比較した。その結果、調整法で移動したものと移動しなかった症例の間で斜視角の変動に差が見られなかった。そこで、術中調整法の安定性が示され、現在論文作成中である。 3)間欠性外斜視にたいして、斜視手術前後での遠見立体視を調査した。その結果、斜視手術によって眼位が改善するとともに、遠見立体視の改善を認めた。一方、近見立体視は術前も良好だったため術後との有意差は見られなかった。間欠性外斜視の手術適応の決定に、遠見立体視は有用であると思われた。 4) 上下斜視に影響を与える因子に関する研究を行った。 間欠性外斜視における頭部傾斜試験(BHTT)陽性の頻度は60.4%で、両側で陽性は41.3%、片側で陽性は58.6%だった。年齢、下斜筋過動や立体視との関連はなく、第一眼位における水平斜視角とBHTT時の上下斜視角に関連があった。間欠性外斜視に合併するBHTT陽性はあまり注目されていませんでした。今後、斜位の保ちやすさとの検討を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高齢者の斜視に関する研究を画像と臨床診断の両面から行っている。画像解析による斜視の症例は蓄積を続けている。調節力に関する 研究には、当初、瞳孔反応を用いて行っていたが、瞳孔反応が必ずしも調節と一致しないことから両眼同時測定可能な屈折検査装置を 導入して、さまざまな環境での屈折を測定している。これによって、調節の影響を検討することが可能である。間欠性外斜視の頭位傾 斜試験と上下ずれの検討は、あらたな試みであるが高齢者の水平斜視にしばしば上下斜視を伴うことの解明につながる可能性がある。 当初の研究方法と異なる研究であるが、目的とする加齢の影響を検討するためにより適切な方法を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでに蓄積したデータを解析、検討し、次年度は国内外の学会で報告する予定である。そのための研究費を使用する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究消耗品の調達に際し、予定額より安価で購入出来たため478,176円の繰越金が生じた。当該繰越金については次年度の研究消耗品に充てる予定である。 また、平成24年度の成果報告を論文作成するにあたり、英文校正料、投稿料ならびに第116回日本眼科学会(東京)、第66回日本臨床眼科学会(京都)等の学会参加発表を行うための旅費として使用する。
|