• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

滲出型、萎縮型加齢黄斑変性への小胞体ストレスの関与とそれを標的とした治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592563
研究機関名古屋大学

研究代表者

加地 秀  名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30345904)

研究分担者 寺崎 浩子  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40207478)
近藤 峰生  三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80303642)
キーワード小胞体ストレス / 網膜色素上皮 / 網膜 / RPE / 血管内皮増殖因子 / VEGF / 脈絡膜新生血管 / CNV
研究概要

小胞体ストレスを抑制することによって、脈絡膜新生血管(CNV)の発症を予防することが可能かどうか調べる目的で、レーザーによるマウスCNVモデルを作成した。薬剤群12匹、コントロール群11匹の両眼にそれぞれ3発ずつレーザーを照射した。レーザー照射日から照射1週間後まで薬剤群には4-フェニル酪酸(PBA)を、コントロール群にはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を一日一回マウスにガバージ針を用いて内服投与した。レーザー照射1週間後に、マウスの心臓よりフルオレセイン造影を行い、眼球を摘出した。これら眼球の脈絡膜フラットマウントを作成し、蛍光顕微鏡下にCNVを作成し、ソフトウェア(SCIONイメージ)を用いてサイズの計測(相対値)を行った。眼球内の3つのCNVサイズの平均を1眼の平均CNVサイズとし薬剤群24眼、コントロール群22眼の平均サイズを計算した。薬剤投与群の平均CNVサイズは37497+3409、コントロール群のそれは43398+6569であったが、両群の間に有意差はなかった。(P=0.86; マンホイットニーUテスト)
ヒト加齢黄斑変性(AMD)眼をNational Disease Research Interchangeより入手予定であったが、入手できなかったため、入手先をSanDiego Eyebankに変更し、一眼を入手したが、眼底検査を行ったところ萎縮型の黄斑変性であった。これについては固定、凍結、切片作成を行い、-80度で保存している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

AMD患者からのCNV抜去の頻度は減少しており、今回サンプルを入手することはできなかった。また、National Eisease Research InterchangeからAMD眼の入手ができなかったため、入手先をSanDiego Eyebankに変更し、AMD1眼を入手した。この眼は萎縮型AMDであったが、引き続きAMD眼が入手できた際は連絡をもらえるようにしてある。
このことから、25年度に実施予定であったレーザーCNVモデルマウスの実験を前倒しで行った。

今後の研究の推進方策

引き続きヒトサンプルを入手し、小胞体ストレスの存在を証明すべく、手配を続ける。また、それが入手できない間の方策として、後眼部にアミロイドβの沈着を起こすモデルマウスを用いて、実験、検討を行う。具体的には血管内皮細胞に存在するCaveolin1のノックアウトマウスは脳にアミロイドβの沈着を起こすことが報告されている。すでにこのマウスを用いた実験について、組み換えDNA実験計画は名古屋大学の安全委員会の、動物実験計画については医学系研究科長の承認を得、Jackson Labに発注済みである。
また、視細胞特異的にCaveolin1をノックアウトしたマウスを所有する海外の施設がある。そこから入手した眼球を用いて、変性など視細胞の形態変化の有無を調査する。

次年度の研究費の使用計画

実際の研究に必要な物品は消耗品であり、当初の申請通りのけ入被配分で研究費を使用していく計画である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Influence of preoperative intravitreous bevacizumab on visual function in eyes with proliferative diabetic retinopathy.2013

    • 著者名/発表者名
      Ushida H, Kachi S, Asami T, Ishikawa K, Kondo M, Terasaki H.
    • 雑誌名

      Ophthalmic Research

      巻: 43 ページ: 30-36

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Age-dependent alteration of intraocular soluble heparan sulfate levels and implication for proliferative diabetic retinopathy.2013

    • 著者名/発表者名
      Nishiguchi KM, Ushida H, Tomida D, Kachi S, Kondo M, Terasaki H.
    • 雑誌名

      Molecular Vision

      巻: 19 ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 新生血管と遺伝子治療.2012

    • 著者名/発表者名
      加地 秀
    • 雑誌名

      あたらしい眼科

      巻: 29 ページ: 1107-1109

  • [学会発表] 糖尿病黄斑浮腫に対する抗VEGF 療法の中心窩網膜厚と網膜電図の関係2012

    • 著者名/発表者名
      牛田宏昭 加地 秀 杉田 糾 安田俊介  朴昌華   寺崎浩子
    • 学会等名
      日本糖尿病眼学会
    • 発表場所
      アクロス福岡、福岡市
    • 年月日
      20121102-20121103
  • [学会発表] 網膜静脈分枝閉塞と半側網膜中心静脈閉塞における眼内血管内皮増殖因子濃度と網膜電図2012

    • 著者名/発表者名
      安田俊介 加地 秀 上野真治 近藤峰生 牛田宏昭  植谷留佳  朴昌華  寺崎浩子
    • 学会等名
      日本臨床視覚電気生理学会
    • 発表場所
      ミッドランドホール、名古屋市
    • 年月日
      20121005-20121006
  • [学会発表] Changes In Implicit Times of 30 Hz Flicker Electroretinograms After Photocoagulation In Eyes With Central Retinal Vein Occlusion.2012

    • 著者名/発表者名
      Kachi S, Yasuda S, Ushida H, Uetani R, Kondo M, Terasaki H.
    • 学会等名
      Annual Meeting for Association of Research for Vision and Ophthalmology
    • 発表場所
      Floirda, USA
    • 年月日
      20120505-20120510
  • [学会発表] 緑内障術後3ヶ月の眼圧変化と脈絡膜厚変化、眼軸長変化との関係2012

    • 著者名/発表者名
      長屋佐千子 植谷留佳 加地秀 長屋匡俊 伊島亮 伊藤逸毅 寺崎浩子
    • 学会等名
      日本眼科学会総会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム、東京都
    • 年月日
      20120405-20120408

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi