研究課題/領域番号 |
23592564
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
米今 敬一 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (40362256)
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研究分担者 |
近藤 峰生 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80303642)
寺崎 浩子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40207478)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 網膜変性 |
研究概要 |
国内の業者は実験に用いるrd10マウスを飼育販売していないので、米国のThe Jackson Laboratoryから輸入した。しかし、rd10マウスのコロニーは感染症フリーではないことから、名古屋大学医学部動物実験部門には直接個体の形では導入できなかった。 それゆえ、凍結受精卵の形でrd10マウスの凍結受精卵を空輸し、名古屋大学医学部動物実験部門で凍結受精卵を融解したのち、受精卵移植を施行した。個体を得た時点で再度感染症検査を行い、感染症フリーであることが確認されたため、正式に実験施設に個体搬入を行った。 実際の実験に用いるために、backgroundをC57BL6/Jに統一するため、5世代C57BL6/Jマウスと交配してヘテロのrd10 gene carrierマウスとして継代し、最後にヘテロ同士を交配してホモに戻す操作を継続中である。genotypingが必要になるが、pde6b geneをPCRで増幅し、制限酵素(cfoI)で切断することによってホモとヘテロを区別できる。以後はホモ同士のrd10マウスを交配することによって、継代し実験に使用する予定である。 ホモのrd10マウスは理由は不明だが、野生型のC57BL6/Jマウスに比して体が少し小さく、生殖能力も低いような印象がある。それゆえ、実験に用いる個体を得るのに難渋しており、引き続き継代を繰り返して、実験に耐え得る個体の取得を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
rd10マウスの搬入が比較的スムーズに行われたが、実験に使用できるホモ接合体を得るのに時間がかかっているため。
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今後の研究の推進方策 |
速やかにrd10マウス網膜の形態学的・分子生物学的・機能的評価を行う。A. マウス網膜の凍結組織切片を用いた網膜外顆粒層厚の測定および免疫組織染色(研究代表者が担当)生後18日、25日、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月の各タイムポイントにおいてOCT compoundに包埋し、凍結させる。視神経方向に対して平行にマイクロトームで切片を切り、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色を行なう。染色した切片を顕微鏡下で撮影してデジタル化し、画像ソフトを用いて網膜外顆粒層厚を測定し、視細胞変性の程度を評価する。網膜厚の計測点は、視神経(ON)から上方の鋸状縁(SO)に向かって等間隔に3箇所(S1、S2、S3)、下方の鋸状縁(IO)に向かって等間隔に3箇所(I1、I2、I3)とする。各計測点に関して、n=6以上のデータを収集する。B. マウス網膜のフラットマウントを用いた錐体細胞密度の評価(研究代表者が担当)上記A.に示した各タイムポイントにおいて、eyecupを作成する。eyecupを4%パラホルムアルデヒドで固定したのち、網膜を強膜・脈絡膜から剥離して最後に視神経を切除する。網膜を10% normal goat serumでブロッキングした後、PBSで洗浄する。錐体細胞特異的マーカーであるRhodamine conjugated peanut agglutinine (PNA, Vector Laboratories, USA)で染色し、マウス網膜のフラットマウントを作成し、共焦点レーザー顕微鏡を用いて錐体細胞密度を測定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画通り実験を進めていく予定であるが、ここからの実際の実験に必要な物品はすべて消耗品であることから、当初の申請通りの研究費配分で研究費を使用していく計画である。
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