研究課題/領域番号 |
23592568
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中村 誠 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80273788)
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研究分担者 |
金森 章泰 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10444572)
根木 昭 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00189359)
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キーワード | アクアポリン / 網膜神経節細胞 / 視神経 / 乳酸 / 視神経脊髄炎 / 緑内障 |
研究概要 |
培養網膜神経節細胞(RGC)の生死に及ぼす培養液中の糖の影響を調べた。5mM グルコース培養下での細胞死は約5.4%、10mM 乳酸培養下では約3.5%と差は無かった。アクアグリセロポリンに属するアクアポリン(AQP)9発現をRNA干渉法で阻害すると、グルコース培養下の細胞死は約11.2%だったのに対し、乳酸培養下では16.6%と有意差があった。乳酸がRGCのエネルギー基質であり、AQP9が乳酸輸送チャンネルであることを示した。 AQP4抗体陽性視神経脊髄炎(NMO)患者、AQP4抗体陰性視神経炎患者、健常者の血清をラット視神経に暴露したところ、AQP4抗体陽性NMO患者血清で暴露された視神経では、暴露部位のAQP4とglial fibrillary acidic protein (GFAP)の発現が消失していた。また、網膜内のneurofilamentの免疫染色性は損なわれ、網膜神経節細胞数は有意に減少していた。AQP4抗体を含むNMO血清は、暴露部位のアストロサイト変性と炎症細胞浸潤ならびに暴露部位を越えた視神経変性を網膜神経節細胞死を誘導することが分かった。
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