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2013 年度 実績報告書

感染性角膜潰瘍発症の分子機序に基づいた新たな治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592572
研究機関山口大学

研究代表者

木村 和博  山口大学, 医学部附属病院, 講師 (60335255)

研究分担者 園田 康平  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10294943)
キーワード角膜潰瘍 / 感染 / コラーゲン分解 / MMP
研究概要

臨床上頻度が多い感染性角膜潰瘍は,治癒後もしばしば角膜実質に永続的な混濁をきたし,著しい視力障害をきたすことがある.感染初期では、感染性角膜潰瘍は抗菌剤による治療が効果をきたすことがあるが,進行した角膜潰瘍においては抗菌剤ではすぐには治癒にいたらず,さらなる病状の進行をきたすことがある.これらのことから,角膜潰瘍形成は病原微生物の死滅のみでは十分に阻害できないことを意味する.本研究の目的は,角膜潰瘍の病態解明を行い,より特異的な治療法を模索検討し,新規治療薬を開発することである.
感染性角膜潰瘍の病態を考える上で,病原微生物による直接的な経路,角膜線維芽細胞を介する経路,浸潤してきた好中球を介する経路の関与を明らかにしてきた.中でもresident細胞である角膜線維芽細胞は,サイトカイン,ケモカイン,接着分子およびMMPsなど発現分泌をきたし,角膜潰瘍の本態であるコラーゲン分解の中心的役割を果たす.本研究にて角膜線維芽細胞のI型コラーゲン三次元培養系において,女性ホルモンのエストロゲン,プロゲステロンがコラーゲン分解を有意に抑制することを明らかにした.一方で男性ホルモンのテストステロンには抑制作用は認められなかった.また,エストロゲン,プロゲステロンは、MMP-1,2,3及び9の発現、活性化を抑制した.これら女性ホルモンの作用するシグナル伝達経路を検討し,p38MAPKを介する経路がその標的となっていることを明らかにした.これまでの研究で,性ホルモンについては免疫抑制作用は強くないことが明らかになっている.それ故、感染性角膜潰瘍の治療を考える上で感染病巣での免疫抑制することなく,特異的に実質コラーゲン分解のみを抑制する新しい薬剤のひとつとして有望であると考えている.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Role of the JNK Signaling PathWay in Downregulation of Connexin43 by TNF-α in Human Corneal Fibroblasts.2013

    • 著者名/発表者名
      Kimura K, Orita T, Morishige N, Nishida T, Sonoda KH
    • 雑誌名

      Curr Eye Res

      巻: 38(9) ページ: 926-932

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Protection of human corneal epithelial cells from TNF-α-induced disruption of barrier function by rebamipide.2013

    • 著者名/発表者名
      Kimura K, Morita Y, Orita T, Haruta J, Takeji Y, Sonoda KH
    • 雑誌名

      Invest Ophthalmol Vis Sci

      巻: 54(4) ページ: 2752-2760

    • 査読あり
  • [学会発表] 角膜実質細胞におけるGap junctionを介した細胞間ネットワークの炎症への作用2013

    • 著者名/発表者名
      木村 和博, 折田 朋子,能美 典正,藤津 揚一朗,西田 輝夫,園田 康平
    • 学会等名
      第17回眼創傷治癒研究会
    • 発表場所
      広島県(グランドプリンスホテル広島)
    • 年月日
      20130831-20130831
  • [学会発表] 角膜実質細胞におけるGap junction阻害剤のコラーゲン分解への影響2013

    • 著者名/発表者名
      木村 和博, 折田 朋子,能美 典正,藤津 揚一朗,西田 輝夫,園田 康平
    • 学会等名
      第45回日本結合組織学会学術大会・第60回マトリックス研究会大会 合同学術大会
    • 発表場所
      和歌山県(和歌山県立医科大学)
    • 年月日
      20130628-20130628
  • [学会発表] 網膜色素上皮細胞におけるSex hormoneによるコラーゲンゲル収縮への作用2013

    • 著者名/発表者名
      木村 和博, 折田 朋子,永井 智彦,能美 典正,藤津 揚一朗,鈴木 克佳,園田 康平
    • 学会等名
      第117回日本眼科学会総会
    • 発表場所
      東京都(東京都国際フォーラム)
    • 年月日
      20130404-20130404

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公開日: 2015-05-28  

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