研究課題/領域番号 |
23592587
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
鈴木 美砂 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教(非常勤) (30404966)
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研究分担者 |
小澤 洋子 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90265885)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流 |
研究概要 |
1.PDTの条件別の影響を組織学的に解析。正常マウスの尾静脈よりベルテポルフィンを注射し、15分後にGLD 800μmでレーザーを照射(波長689nm)し、ベルテポルフィン通常量の6mg/m^2の他に3mg/m^2でも検討した。また、照射時間は、ヒトにおいて基本とされる83秒の他に、10・20・42秒を検討した (10・20・42・83秒=total energy dose 6・12・25・50J/m^2)。PDT施行後7日目の組織像を解析した。既に、PDT照射装置としてVISULAS 690s laser (Carl Zeiss Meditec)が、当研究室に配備されている。固定や切片作成、染色は、既に研究室で確立した方法がある。これを用いた応募者らの予備実験の結果から、ベルテポルフィンの量6mg/m^2、照射時間83秒では、マウス網膜に組織学的障害が出現することが明らかになった。さらに、TUNEL染色・pAktの免疫学的染色などによりアポトーシスに関して各条件で経時的に解析した。2.PDTの条件別にサイトカインの発現等を解析。VEGFの分子に関し、リアルタイムRT-PCR法でmRNA発現を解析する。神経網膜のみと網膜色素上皮(RPE)・脈絡膜に分けて、経時的にサンプルを採取し、VEGFをELISAで、pro apoptoticに働くpAktとapoptoticに働く Baxのイムノブロット法でタンパク定量を行った。3.PDTと抗VEGF剤投与を併用した場合の影響を組織学的・分子生物学的に解析する。PDT施行時に抗VEGF製剤を同時施行した場合の変化を上述の1,2と同様に解析した。動物実験でVEGF抑制に汎用されている抗VEGF剤(リコンビナントタンパク試薬)を購入してPDTを非施行の正常マウスに硝子体内投与し、網膜に明らかな組織学的影響を与えないことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ODT照射条件の検討を行い、臨床に近い照射条件を決定する事が出来た。また、臨床で行われているPDT後のVEGF抑制についての検討も行うことが出来たため、計画以上に進展した。しかし、CNTFやPEDF等の神経保護因子の発現を確認しておらず、次年度の課題となった。
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今後の研究の推進方策 |
神経網膜に対するPDTの影響を検討したので、次年度はRPE(網膜色素上皮)におけるPDTの影響を検討していく予定である。PDT後にミューラー細胞の発現が見られる事が免疫染色で確認出来たので、その際に、神経保護因子を発現と局在を確認する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
学会発表、論文作成のの費用として使用する。実験においては免疫染色、PCR、ELISA.flow cytometry等に使用する予定である。また、未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果であり消耗品購入に充てる。
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