研究課題
生活習慣病は今や社会的な問題であり、失明原因の上位を占める糖尿病網膜症・加齢黄斑変性など、眼科領域でも注目される疾患を含む。生活習慣病の危険因子に肥満・高脂肪食があり、これらは糖尿病網膜症・加齢黄斑変性のリスクファクターとして知られるが、その網膜疾患との関連についてはまだあまりよくわかっていない。そこで、本研究では、マウスに高脂肪食を摂取させ網膜への影響を、分子レベルで解析した。申請者らは生後5週齢のマウスを購入し、高脂肪含有となるよう調合された餌を購入し、毎日摂取させた。そして、高脂肪食を摂取させたマウスとコントロールマウスの網膜を採取し、各種炎症性サイトカインの発現を解析した。この解析にはPCRを用いたmRNAレベルの解析とELISAやイムノブロット法を用いたタンパクレベルの解析の両方を含めた。解析するサイトカインの種類に関しては、これまでストレプトゾトシン誘導糖尿病モデルマウス等において行ってきた、申請者らの研究室の実績をもとに行った。また、全身的なデータも収集した。すなわち、血中の炎症性サイトカインの発現を測定した。網膜には血液網膜関門があるが、病的状態ではこれが障害され、全身血中の炎症性サイトカインが網膜に影響する可能性があると考えている。そして、これらの炎症性サイトカインの下流で働く分子についても解析し、網膜に病的な状態が引き起こされているかどうかを見た。また、網膜電図による視機能測定や組織学的解析も行なった。
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