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2012 年度 実施状況報告書

α1-Syntrophin欠損マウスを用いた視神経脊髄炎の病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 23592593
研究機関日本医科大学

研究代表者

亀谷 修平  日本医科大学, 医学部, 准教授 (30302269)

研究分担者 鈴木 友子  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, その他 (00342931)
山木 邦比古  日本医科大学, 医学部, 教授 (20125751)
高橋 永幸  日本医科大学, 医学部, 助教 (10445801)
キーワードneuromyelitis optica / α1-syntrophin
研究概要

野生型とα1-syntrophin欠損マウスに対しミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白の合成ペプチドを使用して実験的自己免疫性脳脊髄炎 (experimental autoimmune encephalomyelitis: EAE)を惹起させ,主にこれを免疫組織学的に解析するための実験を開始した。 野生型の眼球を摘出し、酢酸/メタノール固定または組織用迅速固定液スーパーフィックス(KURABO)を用いて固定後パラフィン包埋 し、マイクロトームで薄切し6ミクロンの切片を作成する。HE染色を行い病理組織学的観察を行った。摘出した眼球のうち一部はOCT コンパウンドに包埋しクライオトームにて6ミクロンの新鮮凍結切片を作成した。作成した切片をアセトンにて固定後、1次抗体と反 応させた。用いた抗体は抗α1-syntrophin抗体、抗AQP4抗体、抗MBP抗体、抗neurofilament抗体(SMI31)等である。抗α1-syntrophin抗体(RA-16)を用いた解析では、α1-syntrophin欠損マウスで筋組織および視神経において発現減弱が認められた。抗AQP4抗体(H-80)、抗MBP抗体、抗neurofilament抗体(SMI31)での染色では野生型とα1-syn-KOで発現に差異が認められなかった。抗α1-syntrophin抗体による染色像と抗AQP4抗体(H-80)での染色像が異なるためこれらの共局在については確認できなかった。MOG35-55ペプチドによる野生型マウスへのEAEのおよびEAONの惹起を開始した。しかし現在のところ臨床的なEAEの発症マウスは得られていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上記研究実績の概要で示したような、野生型マウスとα1-syntrophin欠損マ ウスでの免疫組織学的な解析がEAEを惹起させる前の事前解析準備として可能であることを確認する必要があった。野生型とα1-syntrophin欠損マ ウスに対しミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白の合成ペプチドを使用して実験的自己免疫性脳脊髄炎を起こした個体で確実に免疫染 色の結果を評価できる技術レベルは確保できた。これらの準備は整ったので、現在実験的自己免疫性脳脊髄炎を惹 起させる実験を開始した。しかし、これまでの論文による結果においても、MOGペプチドの投与によって必ずしも、全個体にEAEが惹起されているわけではないことが報告されているが、我々の施設での結果では今のところEAEを発症した個体は得られていない。

今後の研究の推進方策

実験的自己免疫性脳脊髄炎の惹起にはミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白の合成ペプチド を使用している。不完全フロインドアジュバンドおよび加熱ヒト型結核菌はDifco(Detroit, MI)より、百日咳毒素はリスト生物学研究所 より入手した。週齢を一致させた野生型マウスとα1-syntrophin欠損マウスの両群にMOG;35-55感作でEAEを誘導を開始している。IFAに100μg/ml のMOG;35-55および500μgのM. tuberculosisを加え、乳化の後に尾背部皮下に感作を行った。初回感作時および48時間後にPTを100ngず つ腹腔内投与した。今後はMOG感作の際にDMSOを加えるなどの追加処置を加える予定である。EAE惹起個体が得られたら、野生型とα1-syntrophin欠損マウスでのseverityの比較検討をEAE臨床症状評価を用いて行う。臨床症状評価に関しては以下のスコ アを用いて感作後2-3ヶ月間評価し、観察中は同時に体重測定も行う。 当研究においてはEAEを惹起させたマウスにおける、視神経の観察に主眼を起き、これについて詳細な解析を行う。これに関しては以 下の方法を用いる。小動物用手持ち式眼底カメラを用いた眼底検査、RT-PCR法によるAQP4のmRNAの発現解析、病理組織科学的検査、AQ P4、α1-syntrophinをはじめとした種々のターゲットに対する抗体を用いた免疫組織科学的解析などを行う。

次年度の研究費の使用計画

RT-PCR法によるAQP4のmRNAの発現解析、病理組織科学的検査、AQP4、α1-syntrophinをはじめとした種々のターゲットに対する抗体を用いた免疫組織科学的解析などを行うため、主に分子生物学、組織化学のための消耗品、及び解析のためのコンピュータやソフトへ研究費を使用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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