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2012 年度 実施状況報告書

臨床治験を基盤とする糖尿病網膜症の発生機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23592594
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

高木 均  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70283596)

研究分担者 北岡 康史  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10367352)
宗正 泰成  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (30440340)
上野 聰樹  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (20109010)
キーワードフェノフィブラート / 血管内皮
研究概要

本研究ではFIELD(The Fenofibrate Intervention and Event Lowering in Diabetes Trial)試験により明らかにされたフェノフィブレートの網膜症治療効果のメカニズムを明らかにすることにより、新規の網膜症発症機序を明らかにし、治療法を探索することを目的とする。フェノフィブラートがもともと核内転写因子PPARαのリガンドであることより、PPARα関連の網膜血管障害機序を明らかにすべく、ヒト網膜血管内皮細胞(HREC)とヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の培養を行い、PPARaリガンドによる刺激後、細胞融解し、細胞タンパク質、核タンパク質、mRNA,を分離精製した。PPARaリガンドの影響を確認することを目的としてPPARaの標的遺伝子のmRNAをRT-QPCRにて定量し、リガンド刺激によってPPARaが活性化されていることを確認した。
リガンド刺激によりPPARaが活性化した細胞からRNAを抽出し、DNAマイクロアレイを行いゲノムワイドに解析を行った。その結果、PPARaを刺激することで炎症系の遺伝子が減少し、抗炎症作用のある遺伝子が上昇していることを確認した。今後はPPARaのモノクローナル抗体を用いてクロマチン免疫沈降を行い、抽出したDNAを次世代シーケンサーによって解析することで、これらの遺伝子がPPARaによって直接転写制御が行われているか確認を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究ではPPARαdependentなメカニズムをゲノムワイドに解析するために、DNAマイクロアレイとChIPシークエンスによる解析を予定していた。現在DNAマイクロアレイによる解析によって、PPARaの抗炎症作用が示された。ChIPシークエンス用のDNAの抽出は完了しており、今後は次世代シークエンサ-による解析を行う予定であることから、概ね研究は予定に沿って推移している

今後の研究の推進方策

次年度においてはゲノムワイドな解析によって同定された遺伝子やPPARaのノックダウン細胞を作製し、PPARa活性化によって生じる抗炎症作用のメカニズムや、発現型の検討をRT-QPCRや単球細胞との共培養のassayで行う。さらにinvivoの実験系を用いて、眼内におけるPPARa活性化による抗炎症作用をRT-QPCRやウエスタンブロットを用いて評価を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

酸素、動物の購入、飼育料にも費用を要する。
遺伝子包括的解析に次世代シークエンサ-を用いるが、そのランニングコストを要する。同定した遺伝子の制御について定量解析を行うがRT-QPCRとウエスタンブロット、ELISA法により同定するため、その消耗品、試薬費用を要する。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Photoreceptor outer segment length: a prognostic factor for idiopathic epiretinal membrane surgery.2013

    • 著者名/発表者名
      Shiono A, Kogo J, Klose G, Takeda H, Ueno H, Tokuda N, Inoue J, Matsuzawa A, Kayama N, Ueno S, Takagi H.
    • 雑誌名

      Ophthalmology

      巻: 120 ページ: 788-494

    • DOI

      10.1016/j.ophtha.2012.09.044.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Imaging of a severe case of acute hydrops in a patient with keratoconus using anterior segment optical coherence tomography.2012

    • 著者名/発表者名
      Ueno H, Matuzawa A, Kumagai Y, Takagi H, Ueno S
    • 雑誌名

      Case Rep Ophthalmol.

      巻: 3 ページ: 304-310

    • DOI

      10.1159/000337483.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 糖尿病合併症・糖尿病関連疾患 各種糖尿病合併症の概念・成因・診断・治療 糖尿病性細小血管症 糖尿病網膜症 糖尿病網膜症の病期分類 増刊5 最新臨床糖尿病学(下)2012

    • 著者名/発表者名
      高木 均
    • 雑誌名

      日本臨床

      巻: 70 ページ: 349-355

  • [学会発表] 特発性黄斑上膜におけるSD-OCTを用いた視力予測因子の検討

    • 著者名/発表者名
      塩野陽、向後二郎、篠田芽衣子、高木 均、上野聰樹
    • 学会等名
      第116回日本眼科学会総会
    • 発表場所
      東京
  • [学会発表] 糖尿病網膜症治療の最新の話題

    • 著者名/発表者名
      高木 均
    • 学会等名
      第29回神奈川糖尿病研究会
    • 発表場所
      横浜
    • 招待講演
  • [学会発表] 糖尿病黄斑浮腫の治療戦略

    • 著者名/発表者名
      高木 均
    • 学会等名
      第84回筑後眼科研究会
    • 発表場所
      福岡
    • 招待講演
  • [学会発表] 視力良好な滲出型加齢黄斑変性に対するラニビズマブ単独療法の1年成績

    • 著者名/発表者名
      岡野義郎、向後二郎、武田裕行、塩野陽、篠田芽衣子、石丸綾乃、上野聰樹、高木 均
    • 学会等名
      第66回日本臨床眼科学会
    • 発表場所
      京都
  • [学会発表] 糖尿病網膜症の眼科的治療の現況 抗VEGF治療の現在と未来

    • 著者名/発表者名
      高木 均
    • 学会等名
      第16回神奈川糖尿病・代謝疾患研究会
    • 発表場所
      横浜
    • 招待講演
  • [学会発表] 抗VEGF療法と硝子体手術の近況

    • 著者名/発表者名
      高木 均
    • 学会等名
      第49回川崎糖尿病懇話会
    • 発表場所
      川崎
    • 招待講演
  • [学会発表] 硝子体手術最前線!小さな工夫で大きな成果IIIーMicro-incision Vitrectomy Surgery(MIVS)-

    • 著者名/発表者名
      高木 均
    • 学会等名
      第51回日本網膜硝子体学会総会イブニングセミナー
    • 発表場所
      甲府
    • 招待講演
  • [図書] 糖尿病網膜症のすべて2012

    • 著者名/発表者名
      高木 均
    • 総ページ数
      65-71
    • 出版者
      中山書店

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公開日: 2014-07-24  

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