研究課題/領域番号 |
23592598
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
三村 治 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60157584)
|
研究分担者 |
石川 裕人 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10434945)
木村 亜紀子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10368524)
田片 将士 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60617984)
|
キーワード | 甲状腺眼症 |
研究概要 |
本年度までに得られた組織サンプルのRayBio Human Inflammation Antibody Arrayを用いた解析により、甲状腺眼症外眼筋組織ではMIP-1beta, sTNFRI,IL-6等マクロファージ関連炎症因子などの活性上昇、IL-16などの活性低下を認めた。また興味深いことに、甲状腺眼症の眼窩周囲脂肪組織では結果が異なり、マクロファージ関連炎症因子の中でも特にMIP-1δやM-CSFなどの活性上昇を発見した。元来、甲状腺眼症では甲状腺自己抗体による外眼筋、眼窩内脂肪組織の炎症性肥厚・細胞増殖がメインであると考えられてきたが、その炎症誘導の機序が組織によって違う可能性が示唆されたことは興味深い。同時に各抗体に対する免疫組織学染色・ELISA等の解析を並行して現在も行っている途中である。 また、今回得られた結果より、炎症カスケードにおけるTNFやIL-6の抗体製剤でかつ、すでに日本において関節リウマチなどに適応のあるレミケードやアクテムラの重症甲状腺眼症への拡大適応も視野にいれ、現在臨床治験を計画中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究遅延の最大の原因は必要サンプル数が絶対的に足りていない状況である。眼科形成術が必要となるような重症例はなかなか見当たらず、なおかつ当教室における斜視手術の基本原則が手術侵襲低減も考え、筋短縮から筋移動になってきていることもサンプル数が足りない理由の一つであると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
実績概要で述べたように、サンプルの組織解析、分子生物学的解析をさらに行う予定である。また、レミケードやアクテムラの重症甲状腺眼症への拡大適応も視野にいれ、現在臨床治験を計画中である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
達成度で述べたように、サンプル数が足りず研究に遅れが出ている為研究費の使用も遅れている状況である。 次年度は分子生物学的解析の為の抗体やモジュール式インキュベーター等の使用に加え、臨床治験薬のレミケードやアクテムラに使用する予定である。
|