研究課題/領域番号 |
23592601
|
研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
角田 和繁 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 視覚生理学研究室, 室長 (30255525)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 光干渉断層計 / 黄斑ジストロフィー |
研究概要 |
優性遺伝の、RP1L1変異のオカルト黄斑ジストロフィーについては、OCTを用いた画像解析により、変異を持つ症例に特徴的な構造変化が見られることが明らかになり、その特徴は視細胞内節および外節に発現する本遺伝子の性質を裏付けていた。 弧発例の三宅病9症例全例(RP1L1 変異なし)においてフーリエドメインOCTを用いて網膜構造を調べたところ、5症例においては、RP1L1 変異のある症例に特異的な所見である、「黄斑部におけるCOSTラインの消失」および「中心窩付近におけるIS/OSラインの不明瞭化」が見られた。しかし4症例において は、RP1L1 変異のある症例とは異なるOCT所見、すなわち「IS/OSラインが中心窩においても明瞭に観察される」、あるいは、「IS/OSラインおよびCOSTラインの異常が、中心窩付近のごく狭い領域に限局的に存在する」が見られた。これらの症例を症状経過や電気生理学検査によって変異を有する症例と区別することは不可能であった。これらの所見はオカルト黄斑ジストロフィーのなかには、RP1L1変異とは全く異なる機序によって生じている例が含まれることを示唆している。 変異を持たない症例のなかにはRP1L1変異とは全く異なる機序により網膜機能障害を来たしている症例が含まれることが明らかになり、オカルト黄斑ジストロフィーが、複数の異なる病態を含んだ疾患群であることが推察された(Tsunoda et al, Retina, 2012)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
オカルト黄斑ジストロフィーのうち、RP1L1変異を持たない症例のなかにはRP1L1変異とは全く異なる機序により網膜機能障害を来たしている症例が含まれることが本研究により明らかになり、オカルト黄斑ジストロフィーが、複数の異なる病態を含んだ疾患群であることが推察された。
|
今後の研究の推進方策 |
錐体杆体ジストロフィー、網膜色素変性、AZOOR、その他各種黄斑ジストロフィー等に対象を広げる。
|
次年度の研究費の使用計画 |
確定診断のための画像診断、ERG用の消耗品、備品。DNA検査のための消耗品。学会発表のための参加費、旅費等。
|