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2011 年度 実施状況報告書

標的指向性・光感受性リポソームの薬物動態解析

研究課題

研究課題/領域番号 23592604
研究機関大阪大学

研究代表者

橋田 徳康  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30456959)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードリポソーム / ドラッグデリバリー / ベルテポルフィン / 光感受性
研究概要

ベルテポルフィン内包リポソームの作成の条件検討を行った。ベルテポルフィンの溶解性に関して、凍結乾燥法による内包の程度を3種類(10, 5, 1 mg/ml)の濃度で検討した。その結果、限外濾過後の平均粒子径が200nmの均一な分布を示す5mg/mlの濃度を至適濃度と決定した。実際に作成したリポソームにレーザーを照射し破壊実験を行った。ベルテポルフィンは、いくつかの吸収波長をもち、532nm(緑)、561nm(黄)、659nm(赤)とヒトの加齢黄斑変性に対する光線力学療法で使用される698nm(赤外)の4種類で行った。その結果、吸収の強い532nmと698nmで崩壊を認めた。実際に確かめたのは粒子径の分布であり、レーザー光により破壊されたと予想される残骸が凝集した結果、Z-averageが増加することをみただけである可能性が考えられた。この可能性を否定するために、シスプラチン(CDDP)を同時に内包させて破壊実験を行った。532nmと698nmの波長でレーザー照射を行い、破壊され粒子径が凝集により増加することを確認したうえで、限外濾過を行い濾液中にCDDPが放出されていることを確認した。実際のベルテポルフィン内包リポソームを正常マウスに投与し急性毒性試験を行い薬物投与が生体に及ぼす影響に関して解析した。リポソームの投与量は100, 200, 400 mg/Kgの3条件で行った。その結果、赤血球・白血球数に異常を認めず、AST, ALT, ALP, BUNなどの酵素に異常を認めなかった。これらのリポソームは最終的には細網内皮系で捕捉され分解されると考えられるが、投与1カ月後の臓器重量を、心臓・肺・肝臓・腎臓・脾臓で調べたところ、200 mg/Kgと400 mg/Kgの投与群において脾臓において臓器の増加が認められた。。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

リポソームの作成に関して、企業と共同で光感受性リポソームを作成し、その物性を解析し予想通りの物性が得られていることが明らかにできた点と、特許出願に向けての準備ができている点で、おおむね順調の進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

今後の研究の方針に関して大きく二つの研究を考えている。1. 光感受性リポソームの眼炎症部位へのドラッグデリバリーに関する研究作成したリポソームが光感受性かどうかを調べる前に、リポソームの担体としての運搬能力が既存のリポソームと同等であるかを調べる。蛍光色素(具体的にはFITCやCy3など)を内在させたものを作製して、EAUマウスに経静脈投与後、炎症眼への集積をベルテポルフィン非内在性リポソームと比較検討する。実際には、投与後の摘出眼を組織学的に解析して蛍光強度を比較する。2.レーザー光照射後の光感受性リポソームの薬物動態の解析光感受性リポソームが担体としての機能を十分持つことが証明された場合、光感受性リポソームにステロイド剤を内包させて眼炎症部位にドラッグデリバーさせた後、レーザー照射後、放出された薬物の薬理効果を炎症関連遺伝子の発現解析を行うことで検討する。方法としては、遺伝子の発現強度データをクラスター解析することにより検討する。

次年度の研究費の使用計画

ほとんどの部分を光感受性リポソームの購入費に充てることを考えている。その他に、実験的自己免疫性ぶどう膜炎マウスモデルの作成のためのマウスの購入費用・モデルマウス作成ののためのペプチドの購入費が大きなものである。そのほか、研究成果を発表するための、交通費・渡航費用にあてることを予定している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Fuchs' heterochromic iridocyclitis associated with ocular toxocariasis.2011

    • 著者名/発表者名
      Hashida N, Ohguro N, Maruyama H.
    • 雑誌名

      Jpn J Ophthalmol.

      巻: 55 ページ: 76-78.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Anterior segment optical coherence tomography findings of presumed intraocular tuberculosis.2011

    • 著者名/発表者名
      Hashida N, Terubayashi A, Ohguro N.
    • 雑誌名

      Cutan Ocul Toxicol.

      巻: 30 ページ: 75-77.

    • 査読あり
  • [学会発表] EXPRESSION ANALYSIS OF MICRORNA DURING DEVELOPMENT OF MURINE EXPERIMENTAL AUTOIMMUNE UVEORETINITIS.2011

    • 著者名/発表者名
      Hashida N, Nishida K.
    • 学会等名
      ARVO 2011 Annual meeting
    • 発表場所
      Fort Lauderdale、USA
    • 年月日
      2011年5月3日
  • [学会発表] 実験的自己免疫性ぶどう膜炎におけるmicroRNAの経時的発現解析2011

    • 著者名/発表者名
      橋田 徳康、 西田 幸二
    • 学会等名
      第115回日本眼科学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011年5月12日
  • [図書] 特集●目が赤い ぶどう膜炎 Uveitis2011

    • 著者名/発表者名
      橋田徳康、大黒伸行
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      メディカル葵出版

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公開日: 2013-07-10  

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