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2013 年度 実績報告書

培養角膜上皮細胞シートを用いた眼刺激性試験方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592611
研究機関鳥取大学

研究代表者

伊藤 典彦  鳥取大学, 農学部, 准教授 (80264654)

研究分担者 中村 隆宏  同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (30411078)
キーワード眼刺激性試験 / 動物実験代替法 / ドレイズ試験 / 培養角膜上皮細胞 / 再生医療 / 眼科 / 獣医眼科
研究概要

最終年度、本研究の主目的である眼刺激性試験は確立された。さらに、その過程で考案された次世代の試験方法の概念が実現可能であることが証明された。
本年度は実際の香粧品に使用される界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウムの眼刺激性の検出をおこなった。培養角膜上皮細胞シートは従来のウサギ角膜ではなく豚角膜から作成した。トランズウエルの1ウエルには6枚の培養角膜上皮細胞シートから切り出された試験ディスクを設置した。各試験ディスクを被験物質の10-1から10-4溶液で暴露した。72時間の観察後、試験ディスク断端から伸展した細胞の面積を計測したところ10-1溶液で有意な細胞伸展の抑制が観察された。この結果は生きたウサギを使用するドレイズ試験と同等の結果であった。以上の結果から当初の目的であった培養角膜上皮細胞シートを用いた眼刺激性試験の確立に成功した。この度確立された試験方法は産業動物の廃棄部位を使用するため完全な動物実験代替法である。1枚のシートから複数の試験ディスクを作成することでシート作成の労力を軽減すると同時に同時多検体の試験が可能となりシート間の感受性のばらつきに影響を受けない試験が可能となった。
当初の目的は達成されたがいまだ多くの時間と労力を要する。本試験方法確立の過程でより少ない細胞数、より短い時間で実施可能な方法の発案に至った。原子間力顕微鏡は細胞の形、表面形状等の形態学的変化に加えて細胞表面の硬さ等の物理学的性状変化をリアルタイムに検出する。本装置を用いて塩化ベンザルコニウムに暴露した培養角膜上皮細胞を観察したところ、約2時間の測定で形態の変化に加えて表面の硬さの変化を検出することに成功した。細胞は100,000個から1個、そして検出が3日間から2時間になる可能性が示唆された。この新しい方法にさらなる改良を重ねより良い試験方法へと発展させてゆく。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 原子間力顕微鏡と再生医療材料である培養細胞を用いた薬剤評価方法の開発2014

    • 著者名/発表者名
      関禎子、月村亘、関宏也、伊藤典彦、田島一樹、高橋広樹、後藤浩
    • 学会等名
      第13回日本再生医療学総会
    • 発表場所
      京都国際会議場(京都市)
    • 年月日
      20140304-20140306
  • [学会発表] 原子間力顕微鏡を用いた角膜上皮・内皮細胞の観察、及び薬剤の評価方法の開発2014

    • 著者名/発表者名
      関禎子、月村亘、関宏也、伊藤典彦、田島一樹、高橋広樹、後藤浩
    • 学会等名
      角膜カンファランス2014
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター(宜野湾市)
    • 年月日
      20140130-20140201
  • [学会発表] 原子間力顕微鏡を用いた3次元培養皮膚モデルの評価方法の検討2013

    • 著者名/発表者名
      関禎子、竹内千晶、松田紗苗、皮間未来、月村亘、関宏也、久間將義、伊藤典彦
    • 学会等名
      日本実験動物代替法学会
    • 発表場所
      京都テルサ(京都市)
    • 年月日
      20131219-20131221
  • [学会発表] 再生から創成2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤典彦、籍禎子
    • 学会等名
      鶴田フォーラム
    • 発表場所
      東工大蔵前会館(東京都)
    • 年月日
      20131214-20131214
    • 招待講演
  • [学会発表] AFMによる細胞培養基質の解析2013

    • 著者名/発表者名
      関禎子、月村亘、伊藤典彦、田島一樹、高橋広樹、関宏也
    • 学会等名
      第35回日本バイオマテリアル学会大会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都)
    • 年月日
      20131125-20131126
  • [学会発表] 再生医療、動物から人へ、人から動物へ2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤典彦
    • 学会等名
      第34回動物臨床医学会総会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪市)
    • 年月日
      20131113-20131115
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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