研究課題
1) 担がん患者および健常児におけるNKT細胞の局在解析①腫瘍組織内のNKT細胞の同定:昨年からさらにサンプル数を増やし、統計学的な解析を加えた。新規診断神経芽腫症例107例の未治療腫瘍検体を対象にReal time PCR 法にてインバリアントなT細胞受容体であるVα24/Vβ11の発現解析をおこなった。予後良好群で優位に腫瘍組織内にNKT細胞の浸潤が観察された。②α-GalCerによる患者NKT細胞の増殖作用の検討:患者血液中のNKT細胞分画は、特に大量化学療法後半年以内の患児において顕著に少なかった。しかしα-GalCerパルスにより少なくともin vitroではNKT細胞は1000~10万倍に増殖させることが可能であることが確認された。2) 患者NKT細胞による細胞傷害性の検討神経芽腫細胞株NB1をsodium 51Cr-chromateで標識する。PBMCをAIM-V培地にて100 U IL-2 および100 ng/mlα-GalCerを加え7日間培養し、Vα24抗体を用いてMACSシステムによりNKT細胞を単離する。これをeffector細胞とし抗原提示細胞で再刺激したのちに、上記細胞株とともに4時間培養し、51Cr放出を定量した。この結果、αGalCerでパルスした抗原提示細胞とNKT細胞を共培養したものを腫瘍細胞株に加えることにより強い殺細胞能が誘導されることが示された。
2: おおむね順調に進展している
おおむね交付申請書に記載した研究の目的のタイムスケジュールに沿って実験が進んでいると考えられる。
NKT細胞による神経芽腫細胞株の殺細胞機能が示されたが、NK細胞と比べるとその効果は弱い。実際in vivoではNKT細胞は局所腫瘍免疫応答の生後の中心的役割をにない、種々の方法でNK細胞やCTLを刺激し間接的な殺細胞機能を発揮していると考えられている。したがって、今後NK細胞との共培養実験をおこない、N細胞の殺細胞機能にNKT細胞がboostをかける事ができるかどうかを検証したいと考えている。
なし
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