脂肪組織由来幹細胞(ADSC)を分化させて軟骨細胞シートとし、回転培養により軟骨管状構造体を作製することを目的とした。 家兎皮下脂肪組織からADSCを採取し、継続培養して細胞シートを形成後に回転培養を行った。当初は軟骨細胞への分化が不十分であったが、分化因子と培養条件の調整により軟骨細胞シートが形成された。しかし軟骨基質の産生が不足するためシートに十分な強度がなく回転培養による軟骨管状構造体の作製は困難であった。 ADSCを軟骨細胞に分化させることは可能であるが、細胞シートのみで軟骨構造体を作製することは困難で、幹細胞からの気管再生では細胞外マトリックスなどの適切な足場が不可欠であると結論した。
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