研究概要 |
本研究の目的は食道閉鎖、気管食道瘻の動物モデルであるアドリアマイシン投与マウスを用い、その遺伝子発現様式を新たな手法(OPT)をもちいて三次元解析し発現異常部位を立体的に具現化することであり、最終的に本疾患の遺伝子治療への可能性を探求することである。このため、研究方法としてアドリアマイシン投与マウスをWhole Mount In Situ Hybridizationを用い本邦にて染色し、共同研究者であるIreland,Trinity College DublinのProfessor Paula MurphyとともにIrelandにてOptical Projection Tomography (OPT)を用い、その遺伝子発現の三次元構築を行うという手法をとった。実験初年度は、本邦においての実験を開始するべく実験器具の購入、実験施設の確保、本学における動物実験のライセンスの取得、動物管理施設の確保などに費やし、実際の実験は共同実験者であるアイルランド、Professor Paula Murphyの元にて共に三次元構築のみ行うこととなり、誌上発表に至った。昨年度は国内におけるアドレアマイシン投与マウスのWhole Mount In Situ Hybridizationに成功し、本来初年度実験予定であったShh,Foxfi,昨年度の対象であるHNF3-βを対象遺伝子とし、アイルランドにてOPTを用い三次元構築を行った。この実験結果は既知の結果のみであったが、付随して直腸肛門奇形に関与すると思われる結果を得、今年度誌上発表予定である。初年度、昨年度の実績を踏まえ、今年度はG1i2,G1i3などのさらなる遺伝子の発現様式をOPTにより三次元構築し、この三年間にての結果を総合的に評価し発表を行い、次年度以降のさらなる研究の礎とすることを目標とする。
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