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2011 年度 実施状況報告書

低出力体外衝撃波を用いた慢性創傷に対する非侵襲性治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592639
研究機関東北大学

研究代表者

今井 啓道  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80323012)

研究分担者 伊藤 健太  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50375086)
川上 和義  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10253973)
菅野 恵美  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10431595)
武田 睦  東北大学, 大学病院, 助教 (30333800)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード対外衝撃波治療 / 慢性創傷 / 血管新生 / 創傷治癒
研究概要

正常のマウスは創傷治癒が早いため、慢性創傷モデルとして糖尿病マウスを用いた。遺伝的糖尿病マウスは費用面で高額なため、使用は避けた。そこで、文献的に報告もあるSTZ誘発糖尿病モデルを用いることにした。我々は、予備実験において300mg/dl以上を糖尿病マウスと定義した場合、STZの腹腔内注射により約4~5週ほど、高血糖(400~600mg/dl)が持続されるのを確認した。このSTZ誘発糖尿病マウスの背部に8mmデルマパンチを用いて皮膚全層欠損創を作成すれば、創傷治癒が遷延した慢性創傷モデルの作成が可能と考えた。こちらも予備実験において20日間の創傷治癒の遷延が確認できた。皮膚領域における体外衝撃波の至適エネルギー条件を検討した結果、0.1~0.25mJ/mm^2の照射エネルギーで良好であったので、本実験は照射は創1ヶ所あたり毎秒4発で200発、0.25mJ/mm2の強さで行うことにした。そして、照射日、照射後3日目と10日目の創床の面積をスキャナーでコンピュータ入力した後、画像解析システム(Axio Photo C-5310 Zeiss(株))によって測定し、経時的に創面積の変化を観察したところ、照射群で有意に創収縮を認めた(88.2 ± 14.5% vs. 71.1 ± 13.6% in LE-ESW-treated [n = 11] and untreated WT mice [n = 8])。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画していた動物モデルの改良として、慢性皮膚創傷モデルの確立を行うことができた。また、体外衝撃波治療のが創傷治癒に与える影響として、治癒が促されることが実証できた。

今後の研究の推進方策

前年度の実験で、体外衝撃波治療は創傷治癒を促すことが実証された。したがって、次年度は体外衝撃波が創傷に与える影響と創傷治癒を促すメカニズムについて網羅的に検討していく。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成23年度請求額とあわせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。前年度の実験を発展させて、低~中エネルギーで体外衝撃波治療を行った場合、生体に与える影響として血管新生が知られている。これらを病理組織学的かつ分子医学的に評価し、検討する。具体的には、照射後3日目と10日目にエーテル深麻酔により安楽死させた後、組織をサンプリングし、CD31抗体による免疫染色を用いる。光学顕微鏡で観察し、組織写真を撮影し、創縁における真皮中の血管数をカウントし、単位面積当たりの血管数として血管新生の程度を評価する。また、分子医学的評価としては血管新生に関係するサイトカインとしてVEGFの発現やその産生を誘導するeNOSの発現などを調べる。サイトカインのmRNAの発現確認は、サイトカインの一部を増幅するプライマー(センス鎖とアンチセンス鎖)を用い、RT-PCR法によって行う。同様に創傷治癒に関係する炎症性サイトカインについても調べ、その関連性を探る。

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公開日: 2013-07-10  

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