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2012 年度 実施状況報告書

低出力体外衝撃波を用いた慢性創傷に対する非侵襲性治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592639
研究機関東北大学

研究代表者

今井 啓道  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80323012)

研究分担者 伊藤 健太  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50375086)
川上 和義  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10253973)
菅野 恵美  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10431595)
武田 睦  東北大学, 大学病院, 助教 (30333800)
キーワード体外衝撃波治療 / 慢性創傷 / 血管新生 / 創傷治癒
研究概要

結石破砕に用いる出力の約10%程度の低出力体外衝撃波治療は、皮膚創傷に対して血管新生および組織の修復を促す効果があると考えられている。そのメカニズムは未だに解明されていない。
糖尿病マウスを用いて難治性創傷モデルを作成し、創傷治癒過程における低出力衝撃波治療の影響について解析を行い、衝撃波が創傷部位におけるeNOS及びVEGFの発現を高め、血管新生を促進するとともに、創傷治癒に対する促進効果を示すことを確認した。さらに、衝撃波の創傷治癒促進効果にeNOSが関与するかどうかを検討するために、糖尿病状態のeNOS-KOマウスとWTマウスの皮膚に創傷を作成し、衝撃波の創傷治癒過程に対する促進効果について両群間で比較検討を行った。その結果、eNOS-KOマウスでは、WTマウスに比べて、衝撃波によるVEGFの発現の減少と共に、血管新生促進効果の減弱がみられ、さらに衝撃波による創傷治癒促進効果が有意に減弱することが明らかとなった。これらの結果から、衝撃波は、eNOSの発現誘導を介することで、VEGF発現とともに血管新生を増強し、創傷治癒の促進効果を示すことが明らかになった。eNOSの活性化は、VEGFの発現を誘導するため、血管新生において重要な過程である。
このように、低出力体外衝撃波治療は創傷に対して血管新生を増強し、創傷治癒を促すと考えられる。今回、マウスの開放創に低出力の衝撃波を照射し、皮膚血流および創面の変化を評価し、有効性を確認できた。難治性皮膚潰瘍の新たな治療法の確立に繋がり、臨床的意義は大きい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り実施し、低出力体外衝撃波治療の創傷治癒促進作用は、eNOSを活性化させることによって血管新生を引き起こすことによりもたらされることを初めて明らかにした。

今後の研究の推進方策

体外衝撃波治療のプロトコールを作成し、臨床応用を考える。使用する衝撃波発生装置はストルツ社製Modulith SLCを予定している。Energy flux density 0.005-0.50mJ/m㎡、Frequency 1-5Hz,focal size 2.4mm×25mm Focal distance 50mm,超音波内臓で深部組織の描出が可能である。評価期間は原則として照射後8週間とし、早期に癒合した場合にはその時点で終了し、最終評価を行う。介入前の創収縮率と介入後の1週間当たりの平均創収縮率を比較する。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額とあわせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Low-energy extracorporeal shock wave therapy enhances skin wound healing in diabetic mice: a critical role of endothelial nitric oxide synthase2012

    • 著者名/発表者名
      Denso Hayashi
    • 雑誌名

      Wound Repair Regen.

      巻: 20 ページ: 887-95

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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