脂肪組織由来幹細胞(Adipose-derived Stem Cells、以下ASCs)には組織再生能だけでなく創傷治癒過程を促進し、かつ残存する瘢痕も極めて軽微なものとなることがこれまでの先行研究において知られていたが詳細なメカニズムに関しては不明であった。本研究では糖尿病ラット背部皮膚欠損創にASCsを局所投与し、創傷治癒速度、血管新生効果、筋線維芽細胞、線維芽細胞のアポトーシス誘導を調べた。その結果ASCs投与群は非投与群と比べて肉芽組織の増生、毛細血管数の増加だけでなく、比較的早期に筋線維芽細胞、線維芽細胞のアポトーシスが誘導され、これにより瘢痕減弱効果が得られるものと示唆された。
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