研究課題/領域番号 |
23592663
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研究機関 | 公益財団法人田附興風会 |
研究代表者 |
太田 正佳 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第5研究部, 研究員 (20462278)
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研究分担者 |
鈴木 義久 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第5研究部, 研究主幹 (30243025)
井出 千束 藍野大学, 医療保健学部 藍野再生医療研究所, 教授 (70010080)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 神経再生 |
研究概要 |
当初23年度の研究目標は5項目あった。1.移植細胞の調整と脊髄損傷ラットの作成と移植細胞の移植方法の確認。2.移植細胞投与以前に神経保護因子を投与したのち、細胞移植するグループの評価。 3.骨髄由来もしくは末梢血由来単核球を事前投与したのち、骨髄間質細胞を移植するグループの評価。 4.脊髄損傷大型動物(イヌ)への移植細胞投与による治療効果の判定。 5.筋肉損傷モデル、熱傷皮膚損傷モデル、虚血性皮膚潰瘍モデルを作成し、患部に直接間質細胞を注入する。というものであった。本年度は、従来使用していた脊髄損傷作成のための機器の破損などにより、新たに、NYUインパクターを購入し、安定した脊髄損傷ラットの作成に成功し、従来行っていた、細胞移植方法も問題なく行えることが確認できた。それにより、1.2.3の研究は一連のものであり、細胞移植治療の追加治療として、どのような時期に、そのようなことを行うのが、もっとも、適切かさぐるために、リアルタイムPCRの試料の作成を行った。4は治療効果の判定を行った。5については動物モデルの作成を行った。当初、24年度の目標であった、脂肪細胞移植の有効な補助療法の研究を今年度から始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初掲げた、1、移植細胞の調整と脊髄損傷ラットの作成と移植細胞の移植方法の確認。については100%の達成をしている。2.3については、(2.移植細胞投与以前に神経保護因子を投与したのち、細胞移植するグループの評価。 3.骨髄由来もしくは末梢血由来単核球を事前投与したのち、骨髄間質細胞を移植するグループの評価。) 現在、その有効性の評価のための試料を作成した。実験室の新しいリアルタイムPCRの使用がまだできないために評価はまだ、行っていない。4.脊髄損傷大型動物(イヌ)への移植細胞投与による治療効果の判定。 については、別施設でも行っており、おおむね、評価の終了にまで至っている。5.筋肉損傷モデル、熱傷皮膚損傷モデル、虚血性皮膚潰瘍モデルを作成し、患部に直接間質細胞を注入する。これについては、動物モデルを作成したが、損傷の程度にばらつきが生じているため、検討中である。当初24年度予定の脂肪細胞移植の有効な治療方法の研究については、その効果を組織学的に確認している。現在、リアルタイムPCRなどの評価を行う予定になっている。
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今後の研究の推進方策 |
北野病院で我々の研究の成果である、骨髄由来単核球細胞移植のヒトへの応用がめどがたっているので、当初の予定を変更して、骨髄由来単核球移植の補助療法(移植前の神経保護因子の投与、移植後の神経成長因子の投与、移植細胞の頻回投与)の時期などをPCRなどの生化学的にさぐり、組織学的な評価を行い、次の臨床試験につながる手段を規定したい。筋肉損傷モデル、熱傷皮膚損傷モデル、虚血性皮膚潰瘍モデルの安定をはかり、移植細胞実験に早期にとりかかりたい。脂肪細胞移植実験は順調にすすんでおり、その有効性のメカニズムの解明にとりくむ。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度、脊髄損傷機器の破損、動物実験室の制限などにより、実験が大幅に遅れたため、実験に使用する抗体の購入などが、予定より少なくなったたため、次年度使用額、94万円余りが生じた。その分については、今年度当初目的どおり使用予定。今年度については、当初予定どおり、おおむね、大型の器具は破損などがないかぎり、購入予定はないが、動物実験にかかる、動物代、飼育代。麻酔のガス麻酔代。組織学的検査に必要な抗体など。PCRに必要なプライマー代などが必要。さらに、実験室の環境変化により、 ガス麻酔下に複雑な実験に取り組むために、従来、顕微鏡下に行っていた実験をルーペ下に行う必要があり、手術用ルーペの購入を予定している。今年度予定額90万円を予定。合計184万円を予定している。
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