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2013 年度 実績報告書

細胞表面に局在する“細胞内タンパク質”の網羅的解析と組織障害・修復機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23592670
研究機関山口大学

研究代表者

泉 友則  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00261694)

キーワード機能プロテオーム解析 / 細胞表面標識 / 細胞質漏出 / 炎症メディエーター / 疾患マーカー
研究概要

本研究課題では、組織損傷にともなって細胞外へ漏出し、近傍あるいは遠隔の細胞に影響を与える細胞内タンパク質を“細胞表面結合タンパク質”として選択的に同定し、その動態を解析するとともに、組織損傷・修復への関与を明らかにする。
H25年度は、これまでに同定し、絞り込んだ機能分子候補について、U937細胞に対する機能影響解析を行った。まず各機能分子候補のcDNAをPCRにて増幅し、FLAGタグ発現ベクターへクローニング後、293細胞、あるいは293T細胞へトランスフェクションした。ウエスタンブロッティングにより発現タンパク質の分子量と発現量を確認し、24~48時間後の細胞から組換えタンパク質を得た。一部の機能分子候補については市販の精製タンパク質も入手し、細胞影響解析に使用した。リポポリサッカライド(LPS)にて刺激したU937細胞について、機能分子候補を培地中へ添加し、MAPキナーゼ(Erk1/2)のリン酸化に対する影響をウエスタンブロッティングにより解析した。LPS刺激後60分のU937細胞においては、Erk1/2のリン酸化は2倍に上昇し、特定の機能分子候補(protein X1)が共存した場合にのみ、リン酸化の程度はさらに増強された。protein X1によるErk1/2リン酸化の増強効果はLPS無刺激時にも観察されたことから、protein X1がU937細胞の細胞内シグナル伝達に直接作用していることが明らかになった。すなわち、損傷組織から漏出したprotein X1は、近傍の単球表面に結合し、その細胞機能(炎症反応など)を積極的に制御している可能性がある。
H23、H24年度の結果を踏まえ、「細胞表面結合能を有する細胞内タンパク質には、組織損傷時に細胞外へ漏出し、新たな機能を発現する分子が含まれる」と結論付けた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Selective analysis of cell surface-associated proteins: characterization of intracellular proteins that are released from damaged cells and interact with the surface of human monocytic cell line U937.2013

    • 著者名/発表者名
      Izumi T, Yokoyama K, Sakaida I
    • 学会等名
      HUPO 12th Annual World Congress
    • 発表場所
      PACIFICO Yokohama(Yokohama)
    • 年月日
      20130917-20130917
  • [学会発表] 損傷細胞から放出されヒト単球細胞株U937細胞表面と相互作用する細胞内タンパク質のプロテオーム解析2013

    • 著者名/発表者名
      泉友則, 横山勝巳, 坂井田功
    • 学会等名
      第86回日本生化学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      20130911-20130911

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公開日: 2015-05-28  

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