研究課題/領域番号 |
23592673
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
野口 隆之 大分大学, 医学部, 教授 (90156183)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 肺線維症 / αリポ酸 / 誘導体 / 抗酸化 / 酸化ストレス / 呼吸障害 |
研究概要 |
本研究では、まず、ブレオマイシン誘発肺線維症モデルにおいて、αリポ酸誘導体の誘導体の一種であるDHL-HisZnが有効であるか否かについて検討することである。そこで、昨年までの研究においてブレオマイシン誘発肺線維症発症時においてαリポ酸誘導体DHL-HisZn投与による病態改善効果の有無について以下の検討項目を中心に施行した。1、安静時の血液ガスの測定。2、肺組織像並びに体重等の変化について検討。3、血清中のNOx、サイトカイン量の測定をELISA Kit等を使用して解析する。4、肺組織中のROS測定を酸化ストレスマーカーを用いて検討する。これらの結果にて、αリポ酸誘導体DHL-HisZn投与がブレオマイシン誘発肺線維症における改善効果を有していることを見出すことが出来た。そこで、本年度は、当初の計画に沿い、より臨床での使用状況に近づけるために、肺線維症誘発後の投与においてDHL-HisZnの効果を検討するために、以下の実験を施行することとした。ブレオマイシン誘発肺線維症発症後におけαリポ酸誘導体DHL-HisZn投与による改善効果の検討。昨年度と異なり、本年度では、肺線維症誘発後においてαリポ酸誘導体の投与の有無による影響を解析する。測定項目は昨年同様に以下の通りである。1、安静時の血液ガスの測定。2、肺組織像並びに体重等の変化について検討。3、血清中のNOx、サイトカイン量の測定をELISA Kit等を使用して解析する。4、肺組織中のROS測定を酸化ストレスマーカーを用いて検討する。これらの研究を行うことで、より臨床に即した状態での評価が可能になり、本薬剤αリポ酸誘導体DHL-HisZnの有効性・有用性が証明できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、昨年度中にブレオマイシン誘発肺線維症モデルにおいて、αリポ酸誘導体の誘導体の一種であるDHL-HisZnやDHL-TauZnが有効であるか否かについて検討することのみならず、より臨床での使用状況に近づけるために、肺線維症誘発後の投与においてDHL-HisZnやDHL-TauZnの効果を検討する予定であったが、モデル作成に時間を要したため、本来の目的薬剤の一つであるDHL-HisZnのみの検討にとどまり、DHL-TauZnの検討が出来なかった。更に、後投与での有効性の確認もできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、昨年度までに有効性を確認できた、αリポ酸誘導体の誘導体の一種であるDHL-HisZnに注目し、ブレオマイシン誘発肺線維症モデルにおいて、より臨床モデルに近い、後投与での有効性の検討を行うこととした。また、時間的に余裕があれば、更なる検討として、他のαリポ酸誘導体(DHL-TauZn)での同一モデルでの有効性の確認、また、他の肺線維症モデル(パラコート誘発肺線維症モデル)等での有効性の検討を進め、αリポ酸誘導体の本領域における新たな治療薬としての可能性を模索したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
基本的に、大型の実験設備に関しては、当教室並びに当大学にて所有している機器を使用していく計画である。そのため、研究費の主要な用途は、昨年度同様ラット購入や各種実験関連試薬等の消耗品関係を中心に使用していく予定である。次年度も昨年同様により効率的にデータをだしていくことを心がけていきたい。
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