研究課題/領域番号 |
23592675
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
成松 英智 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70295343)
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研究分担者 |
新谷 知久 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80510312)
川真田 樹人 信州大学, 医学部, 教授 (90315523)
山内 正憲 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00404723)
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キーワード | 有機リン中毒 / パラオキソン / アトロピン / プラリドキシム |
研究概要 |
本年度は有機リン系コリンエステラーゼ(以下、OP-ChE)阻害薬を用いてラット海馬スライスCA1-pyramidal cellsに痙攣波を誘発させ、OP-ChE阻害薬中毒症時に治療薬として用いられるatropineおよびpralidoximeの治療的効果の検討をおこなった。主にmulti electrode alley system を用いた細胞外電位同時多点記録をおこなった。 paraoxon(OP-ChE阻害薬)により海馬スライスCA1-pyramidal cellsに誘導される痙攣波は、シェファー側枝電気刺激により誘発したpopulation spikeやfield EPSPの20%程度にしか発生を認めなかったが、昨年度の検討で、細胞外液カリウム濃度を調整することで、paraoxon誘発性痙攣波の発生率を60%以上とすることに成功した。本年度はこの誘発痙攣波に対する、臨床的OP-ChE阻害薬中毒治療薬であるatropineおよびpralidoximeの誘発痙攣波に対する治療的効果を検討した。その結果、atropineはparaoxon誘発痙攣波の発生を抑制したが、pralidoximeはatropineよりも抑制作用が低い傾向を認めた。OP-ChE阻害薬中毒時には、atropineが誘発性痙攣に対しても高い治療的効果を示す可能性が示唆された。 今年度の研究により、本研究の中核となるデータを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の目標であった、海馬組織におけるOP-ChE阻害薬誘発性痙攣に対するatropine、およびpralidoximeの治療的効果を検証することができた。これは本研究の主目的であり、研究の中核となるデータを得ることができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の検討では、atropineがOP-ChE阻害薬誘発性痙攣に対して高い抑制効果を示すことが確認できた。平成25年度は、1)atropineの抑制効果の機序解明、2)各種抗痙攣薬の治療性評価をすすめていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
交付決定額の内容として算出していた学会参加費として200,000円を計上していたが、予定していた学会への参加が中止となったため。 本年度の研究内容により、次年度での学会発表することができる研究データを得ることができたため、国内外の学会参加費として使用予定である。
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