研究課題/領域番号 |
23592677
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
伊藤 彰師 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40254289)
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研究分担者 |
笹野 寛 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20215742)
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キーワード | 呼気終末二酸化炭素分圧 / 呼気終末酸素分圧 / 呼気ガスコントロール / 脳血流 / Functional MRI |
研究概要 |
呼気終末二酸化炭素分圧(PETCO2)&呼気終末酸素分圧(PETO2)値には、機能的残気量、死腔量、肺内シャントなど呼吸系パラメータ、心拍出量、組織血流量など循環系パラメータ、酸素消費量、二酸化炭素産生量など代謝系パラメータなど多くの因子が影響する。正確なPETCO2&O2コントロールのためには、これらの要素を組み込んだ体内CO2およびO2トランスポートモデルが必要となる。この理論的CO2およびO2トランスポートモデルを作成し、システムエンジニアと共同でプログラミングソフトLabviewTM(National instruments)を用いてコンピュータプログラム化を行った。そのCO2およびO2トランスポートモデルからシミュレータを作成し、シミュレータを組み込んだCO2およびO2自動コントロールシステムを作成した。被験者(健常ボランティア)に対して、このシステムを用いてPETCO2&O2 step up & down control法による実験を実施し、精密なPETCO2&O2コントロール法を確立した。自発呼吸下では吸入ガス濃度の変化に伴い、呼吸パターンや一回換気量が変化し、PaCO2とPaO2は互いに影響するため、それらを独立して正確にコントロールすることは困難であったが、応募者らのシステムは被験者自発呼吸の換気量や呼吸数、呼吸パターンの変化に関わらずシンプルな呼吸回路を用いてPETCO2&O2の精密なコントロールを可能にした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
正確なPETCO2&O2コントロールのため、CO2およびO2トランスポートモデルを作成し、システムエンジニアと共同でコンピュータプログラム化を行った。そのCO2およびO2トランスポートモデルからシミュレータを作成し、シミュレータを組み込んだCO2およびO2自動コントロールシステムを作成した。このシステムを用いてPETCO2&O2 step up & down control法による実験を実施し、精密なPETCO2&O2コントロール法を確立したが、PETCO2&O2コントロール下におけるfunctional MRIの撮像まではまだ至っておらず、準備段階である。
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今後の研究の推進方策 |
精密なPETCO2&O2コントロール法を確立後、PETCO2&O2コントロール下におけるfunctional MRIの撮像のために精通した専門の放射線科医の協力が必要であるが、十分な協力を得られていない。専門の放射線科医の協力を得られるよう鋭意努力する。十分な協力が得られない場合には、院外の放射線科医にも協力を依頼する。
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次年度の研究費の使用計画 |
CO2およびO2自動コントロールシステムによる精密なPETCO2&O2コントロール法による実験を実施するために、呼吸回路など消耗品を購入する。精密なPETCO2&O2コントロール下にfunctional MRIの撮像を行い、PETCO2&O2 step up & down変化に対する脳血流の変化を分析する。
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