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2011 年度 実施状況報告書

免疫細胞学的、再生医学的アプローチによる急性肺損傷の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 23592681
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

藤島 清太郎  慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (00173419)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード急性呼吸促迫症候群 / 炎症性肺疾患
研究概要

1.ヒトES細胞からのヒト肺組織細胞の効率的産生誘導法の確立。本年度は、当大学腎臓内科学教室との共同研究として、ヒトのES細胞を空気に接触する環境下(Air-liquid interface)で3~6週間培養し、気道肺胞上皮特異的マーカーであるsurfactant protein C (SPC)、aquaporin-5(AP5)の遺伝子発現をFACS解析により検討した。興味深いことにSPCの発現は培養後20日に増加したが、40日後にはむしろ減少した。一方、AP5の発現は培養日数に応じて、発現量が増加した。今後は、発生・形態学的に肺上皮との類似点を認め、研究が進んでいる腎上皮細胞の発現誘導条件を参考に、気道肺胞上皮細胞の発現誘導を促進する因子を検索する。2.SIRS、ALI/ARDS、炎症性肺疾患患者における免疫炎症・代謝および組織幹細胞の動態解明。本年度は、ALI/ARDS、IPF/UIP患者の剖検組織を用いて、Musashi-1、SPC、Clara cell specific protein(CCSP)をマーカーとして肺組織幹細胞・前駆細胞を探索した。ALI/ARDS剖検肺においてSPCとMusashi-1共発現の細胞を、IPF/UIP患者の剖検肺においてCCSPとMusashi-1を共発現する細胞をそれぞれ観察した。現在のところ、Musashi-1の発現が少なく、検出が難しい状況のため、今後より感度の良い観察系を確立する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成23年度は、東日本大震災による被災地での医療支援活動など、研究計画作成時には想定できなかった臨床業務が発生し、かつ実験補助者が退職したため、十分な時間を研究に当てることができず、研究費も一部未使用となった。

今後の研究の推進方策

東日本大震災に伴う臨時医療支援活動も終了し、新たな研究補助者・協力者も見いだしたため、本年度以降は研究計画通りに実験を遂行ができると考えている。当大学生理学教室、腎臓内科教室との共同研究も継続予定である。 また、期限内の研究計画完了に向け、動物実験と培養細胞の種類を絞り込み、重点的に行うこととする。

次年度の研究費の使用計画

昨年度は、東日本大震災による被災地での医療支援活動、実験補助者の退職により、予定通り研究を進められず、研究費も一部未使用となった。本年度は、医療支援活動も終了し、新たな研究補助者・協力者を得て、研究計画通りに実験を遂行できる体制をとった。期限内の研究計画完了に向け、動物実験と培養細胞の種類を絞り込み、重点的に行う。1.マウスのSIRS、炎症性肺疾患モデルを用いた、侵襲後の免疫炎症・代謝変動の総合的解析: マウス敗血症モデル、炎症性肺疾患モデルの実験で、実験動物の購入費と飼育費の支出、および免疫定量・遺伝子定量用試薬などの購入を予定している。一部外部機関への委託も予定している。2.細胞培養系を用いた、肺細胞、免疫細胞の機能変動補正因子の解明: ヒト肺実質細胞、免疫細胞の培養実験で、細胞、培地、サイトカイン・成長因子、免疫定量・遺伝子解析試薬などを購入予定である。。一部外部機関への委託も予定している。3.ヒトES細胞からのヒト肺組織細胞の効率的産生誘導法の確立: 当大学生理学教室、腎臓内科学教室と共同で、ヒトES細胞の肺胞上皮細胞への効率的誘導因子・環境を探索する実験において、培地、免疫染色用物品・試薬、FACS・遺伝子発現解析試薬などを購入予定である。4.ALI/ARDS、炎症性肺疾患患者における免疫炎症・代謝および組織幹細胞の動態解明: ALI/ARDS、炎症性肺疾患患者の剖検肺組織を用いて肺組織幹細胞・前駆細胞を探索し、その動態を解析する研究において、Musashi-1、SPC、CCSPなどのマーカー用抗体、免疫染色用物品・試薬などを購入予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Early administration of sivelestat, the neutrophil elastase inhibitor, in adults for acute lung injury following gastric aspiration2011

    • 著者名/発表者名
      Hayashida K, Fujishima S, Sasao K, Orita T, Toyoda Y, Kitano M, Hori S
    • 雑誌名

      Shock

      巻: 36 ページ: 223-227

    • DOI

      10.1097/SHK.0b013e318225acc3

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Epithelial cell restoration and regeneration in inflammatory lung diseases2011

    • 著者名/発表者名
      Fujishima S
    • 雑誌名

      Inflammation and Regeneration

      巻: 31 ページ: 290-295

    • DOI

      10.2492/inflammregen.31.290

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 急性肺損傷(ALI)、急性呼吸促迫症候群(ARDS) 最近のトピックスと基礎傷病別のエビデンス2011

    • 著者名/発表者名
      藤島清太郎
    • 雑誌名

      呼吸

      巻: 30 ページ: 761-771

  • [学会発表] ALI/ARDSに関する最近のトピックスと基礎傷病別のエビデンス2011

    • 著者名/発表者名
      藤島清太郎
    • 学会等名
      第21回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会(招待講演)
    • 発表場所
      長野県松本文化会館(長野県)
    • 年月日
      2011年11月3日
  • [図書] 救急診療指針改定第4版2011

    • 著者名/発表者名
      藤島清太郎
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      へるす出版

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公開日: 2013-07-10  

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