研究課題/領域番号 |
23592686
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
大泉 旭 日本医科大学, 医学部, 助教 (20277502)
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研究分担者 |
新井 正徳 日本医科大学, 医学部, 助教 (60267127)
増野 智彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (00318528)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 骨軟部組織損傷 / 外傷後臓器傷害 |
研究概要 |
重症外傷後に生じる全身性炎症反応の発症には組織損傷、および損傷形態により放出される内因性因子が重要な役割を果たしている事が明らかになっている。我々は外傷に随伴する組織損傷に注目し、『ショック後臓器障害発生に対する組織損傷の影響を解明すること』を目的として研究を押し進めている。平成23年度は、まずは研究の軸となる骨・軟部組織損傷モデルを完成させた。我々の作製したモデルは、マウスの四肢、胸郭をミンチ(以下TBX: tissue bone matrix)したものを同種マウスの背部皮下に移植するものである。我々は移植するTBXそのものの炎症惹起物質としての可能性を検討するために TBX中のDamage-associated molecular patterns (DAMPs)含有量を測定するとともに、好中球にTBXを添加する事により好中球が活性されるか否かの実験を行おうとしている。また、それぞれの重量のTBX(マウス体重あたり5, 10, 15, 20%)を同種マウスに移植し、移植後6, 12, 24時間後の血漿中の炎症性サイトカイン量及び、肺に集積する好中球を評価しTBX移植後の肺傷害を検討しようとしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年に起きた震災の影響で、実験に必要な物品の入手が一時的に困難になってしまい、また震災直後、研究代表者及び分担者すべてが現地に赴き被災地診療を行っていた事もあり、計画通りに実験が遂行出来なかった事が理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
外傷後多臓器不全の発生メカニズムの中にtwo-hit theoryがある。平成24年度は、mild(非致死性)な炎症反応を起こした量のTBXを移植後(first hit)、出血性ショックを加える(second hit)モデルをtow-hit modelとし、two-hit後のマウス血漿中のサイトカイン量や肺傷害の検討を行う予定である。またDAMPsの主要なレセプターであるTLR4のノックアウト(KO)マウスを用い、TLR4KOマウスから得られたTBXを同種のTLR4KOマウスに移植し、 さらに出血性ショックを加え、TLR4WTマウスと比較して、全身性の炎症反応、肺傷害が抑制されるか検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度から引き続き、実験動物、その他試薬、検査キットを含む消耗品等の購入予定があるが、当初の実験計画通り行っていく予定である。
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