我々は、骨軟部組織損傷後に全身性の炎症が惹起され、時に多臓器不全に陥るメカニズムを解明するべく研究を行った。まず、外傷モデルを開発し、モデルの有効性を調べ、次いでそのモデルを用い、グラム陽性菌であるリポタイコ酸(LTA)を腹腔内注射するTwo-hitモデル(外傷+敗血症)を作成した。我々のモデルは、動物の骨軟部組織を細かくミンチし(TBX)、それを同種の動物の背部に移植するものである。このモデルの有効性、およびTwo-hit後の評価は、腸管運動抑制の有無で行った。我々のモデルは、移植するTBXの量依存性に腸管運動が抑制され、さらにTwo-hit後には高度に腸管運動が抑制された。
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