細菌の内毒素であるエンドトキシン(LPS)による肝障害において新規タンパク質naofen(WD-repeat domainを有するので、WDR35とも言われる)の役割を調べてきた。LPSはクッパー細胞を活性化させ、TNFαなどの炎症性サイトカインを遊離することによって肝細胞のnaofen発現を増加させる。増加したNaofenは細胞のアポトーシスを抑制す物質であるBcl-2,Bcl-xLの発現を抑制し、肝細胞のアポトーシスを誘導したことを明らかにした。これらの実験結果から、エンドトキシン血症による肝障害の治療に際して、naofenが新たな標的分子になる可能性が考えられる。
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