研究課題
23年度、24年度に引き続いて行った。実験1では、大脳皮質の電気刺激によって顎運動を誘発する皮質部位が同定され、また、誘発される顎運動の様態が明らかになった。具体的には、前頭前皮質の外側部(島皮質に相当)電気刺激で、確かに顎運動が誘発された。しかし、誘発部位の正確な同定は現在行っている所で最終結果は得られていない。また、その刺激によって誘発される顎運動の詳細な様態も、継続して検討中である。実験2では、顎運動に関わる大脳皮質部位からの下行投射(抑制性回路を含む)の様態が明らかになった。具体的には、前頭前皮質の内側部からの投射を調べた所、背側脚皮質からのみ、三叉神経尾側亜核への投射が認められたが、三叉神経吻側亜核と主感覚核への投射は認められなかった。この投射様態は、23年度に行った実験1でAgmの刺激で顎運動が誘発できなかったことに関連すると考えられる。この成果はAkhter et al. 2014として発表した。実験3では、顎運動に関わる抑制性の運動前ニューロンの新たな存在部位が明らかになった。具体的には、島皮質が直接投射する事が既に知られている孤束核に、開口筋運動前ニューロンと閉口筋運動前ニューロンの両方が存在し、これらの運動前ニューロンが運動ニューロンに対して抑制性に働いている可能性が示唆された。この成果はOka et al. 2013として発表した。
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Neuroscience
巻: 266 ページ: 23-37
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http://www.dent.osaka-u.ac.jp/admission/course/anat2.html