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2011 年度 実施状況報告書

変形性顎関節症における軟骨細胞の機能障害の解明および治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592712
研究機関東京歯科大学

研究代表者

渋川 義宏  東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (50297347)

研究分担者 君塚 隆太  東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90287178)
村松 敬  鶴見大学, 歯学部, 准教授 (00276982)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード変形性顎関節症 / インディアンヘッジホッグ / 下顎頭 / 遺伝子発現 / 加齢
研究概要

変形性顎関節症は加齢に伴う下顎頭軟骨細胞の細胞外環境の変化や過剰な生体力学的荷重などが誘因となり発症する。その病態には下顎頭軟骨細胞の変性が指摘されており、加齢的変化や軟骨変性に陥った軟骨組織ではプロテオグリカンなどの軟骨基質の産生が低下することが報告されている。我々は、これまで下顎頭の形態形成において、分泌性タンパク質であるインディアンヘッジホッグ(以下、Ihh)が軟骨細胞の増殖、分化や軟骨基質の産生を調節することを報告した。本研究では、変形性顎関節症の発症、進行に伴う下顎頭の形態変化におけるIhhの役割を遺伝子レベルで明らかにすることを目的とする。平成23年度では、加齢(成長期から老年期の正常マウス)に伴う下顎頭の形態変化を解剖組織学および骨・軟骨関連遺伝子の時空的な発現を解析するため、in situ ハイブリダイゼーション法により検索した。その結果、成長期マウスではIhhは前肥大軟骨細胞層に認められ、細胞増殖に関与する副甲状腺関連蛋白(以下、PTHrP)の発現が下顎頭表層部で検出された。しかし、加齢に伴い、IhhとPTHrPの発現が減少し、Histone H4C(増殖細胞層マーカー)および2型コラーゲン(幼若軟骨細胞マーカー)の発現の低下が認められた。さらに、レーザーマイクロダイセクションシステムを用いて、下顎頭軟骨の表層に存在する軟骨細胞と深層に存在する軟骨細胞を採取し、遺伝子発現量を解析した。その結果、加齢に伴い下顎頭表層部では、IhhレセプターであるPatched1の遺伝子発現量が減少し、MMP13の遺伝子発現量の増加が認められた。このことから、Ihhは下顎頭表層部にPTHrPの発現を促し、増殖層の前軟骨細胞の増殖に関与するが、加齢に伴いヘッジホッグシグナルの減少と軟骨マトリックス分解酵素が増加し、軟骨内骨化が進行することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度では、加齢(成長期から老年期の正常マウス)に伴う下顎頭の形態変化について、骨・軟骨関連遺伝子の時空的な発現をin situ ハイブリダイゼーション法により検索した。現在、レーザーマイクロダイセクションシステムを用いて、下顎頭軟骨の表層に存在する軟骨細胞と深層に存在する軟骨細胞を採取し、加齢に伴う下顎頭の各層におけるヘッジホッグシグナル分子およびヘッジホッグ関連分子群の発現の変異をマイクロアレイ(Hedgehog signaling pathway PCR array: SA Bioscience)により解析中である。

今後の研究の推進方策

変形性顎関節症(TMJ-OA)モデルマウス(SAMP8)を用い、TMJ-OAの発症、進行におけるヘッジホッグシグナルの変異を解析し、平成23年度に解析した正常マウスの実験結果と比較、検討する。さらに、マウスに不正咬合モデル(マウスの切歯のトリミング)を作製し、不正咬合による下顎頭の形態変化におけるヘッジホッグシグナルの役割を解析する。

次年度の研究費の使用計画

本研究遂行にあたり、実験用動物(マウス)、実験用動物飼料、分子生物学実験試薬(RT-PCR関連、in situ ハイブリダイゼーション法、レーザーマイクロダイセクションシステム、マイクロアレイ、等)、ガラス器具、プラスチック器具、一般試薬、成果発表(旅費)を使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Loss of Occlusion Accelerates Condylar Degeneration in SAMP8 Mice2012

    • 著者名/発表者名
      渋川義宏
    • 学会等名
      2012年 AADR学会
    • 発表場所
      アメリカ(タンパ)
    • 年月日
      2012年3月23日

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公開日: 2013-07-10  

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