研究課題
舌の形態形成では、血管・神経網に支えられた舌筋の組織構築が進行する。舌運動を支配する舌下神経軸索は後頭神経根から各鰓弓を経て舌原基に到達し、舌原基内で分枝して舌筋との機能的接合を果たす。この舌下神経軸索の伸長経路は後頭体節由来の舌筋前駆細胞の移住経路と一致することが想定された。本研究では、舌下神経の軸索誘導と神経軸索-舌筋の接合に注目して、マウス胎仔鰓弓における血管網・神経網の3次元観察、軸索伸長先端部での遺伝子発現解析と分子機能解析に基づき、器官形成の基本システムとなる血管・神経伸長の方向性を制御するガイダンスの分子機構と細胞間相互作用を明らかにする。最終年度では、マウス舌下神経の軸索誘導に働くガイダンス機構を明らかにする目的で、舌下神経と舌筋前駆細胞集団との関係に着目し、胎生9.5日~11.5日での両者の時空間的な解析とともに、下顎突起マイクロアレイデータに基づくIngenuity Pathway Analysis (IPA)解析で注目された遺伝子について定量発現解析と免疫組織化学による組織内局在の解析を実施した。これらの解析から以下の成果が得られた。(1)胎生10.5日で後頭神経根から起始した舌下神経の軸索は後頭体節近傍の体幹間充織内で、先行する舌筋前駆細胞の集団と合流した。胎生11.5日になると、舌下神経の軸索は集団で移住する舌筋前駆細胞のなかを接触しながら伸長し、下顎突起背側正中部の外側舌隆起直下にまで到達した。(2) Netrin1,Cxcr4,Ngfrは、胎生10.5~11.5日にかけて顕著な発現上昇を示し、舌下神経の軸索誘導因子の候補として注目された。(3) Cxcr4は一部の神経軸索と舌筋細胞、ならびに舌筋細胞集団周囲の血管に陽性反応がみられ、リガンドであるCxcl12は軸索内の単核の陽性細胞と弱陽性の舌筋細胞のほかに、強い陽性反応を示す多くの血管内皮細胞が観察され、舌下神経・舌筋細胞・血管内皮細胞間でのガイダンス作用が示唆された。
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