研究課題
発生段階の唾液腺を培養ディッシュ上で3次元的に再現することを目的に、前年度から用いているLCA(large cell-aggregate)-SFEBq法の培養条件の詳細を検討した。具体的には、フィーダー細胞(PH-STO)上で培養することにより未分化状態を維持したマウスのiPS細胞(clone38C2)をトリプシン処理により剥離後、ゼラチンコートディッシュで2日間培養することにより、フィーダー細胞を除去した。その後、iPS細胞(細胞数10,000個ないし15,000個)を0.5nMBMP4非添加ないし添加培地を用いてLCA-SFEBq法により6日間培養を行い、作製された細胞凝集塊の最外層における外胚葉組織(口腔粘膜上皮)形成の有無について解析した。その結果、共焦点レーザー顕微鏡を用いた解析により、凝集塊を作製する細胞数が15,000個、0.5nMBMP4の存在下で、凝集塊の最外層に数層の上皮性マーカーであるカドヘリン陽性細胞の存在が観察され、本条件が外胚葉性組織の誘導に適していることが明らかとなった。次に、前年度までに作製した胎生期唾液腺周囲間質細胞(E11.5およびE13.5)をフィーダーとして、前述した条件で作製したLCAを半割ないし最外層上皮のみを8日間培養した。培養した細胞をトリプシンで分散化し、ゼラチン内で3次元培養を行った。培養1週後に唾液腺組織の分化マーカー発現をRT-PCRにより確認した。その結果、LCA半割ないし上皮の間で、発現程度に差は認められたものの、E13.5のフィーダー上で培養した場合に、唾液腺特異的マーカー(Aqp5,M3AchR,beta2AdR)の発現上昇が認められた。
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