研究課題/領域番号 |
23592735
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
野間 隆文 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40189428)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | iron metabolism / Sp6 |
研究概要 |
Sp6 タンパク質が鉄代謝に影響を及ぼすことをin vitroで確認し、分子レベルでそのメカニズムを解明するために、まず、Sp6発現の in vitro model系の構築とそれを用いた鉄代謝の動態をモニターすることを解析した。1)エナメル芽細胞株への鉄負荷系の確立とSp6発現による影響評価:エネメル芽細胞株G5細胞にSp6発現ベクターを導入し,一過性のSp6の発現状況を1日目、2日目で判定した。24時間後、48時間後いずれも一過性のmRNA発現が同程度にあることを確認したが、タンパク質レベルでは24時間後に一過性の高発現が認められるものの、48時間後には、その発現が1/3程度に減弱することが再現性を持って確認された。Sp6の発現を随時に誘導するための発現系を得るために、tet誘導によるSp6発現系の構築を行った。Tet onベクターを導入したG5細胞を薬剤選択によりクローン化に成功した。次いで、そのクローン4種類に、pTRE-Sp6ベクターをさらに導入した細胞クローンを薬剤選択し、現在その発現誘導レベルをmRNA、タンパク質レベルで確認をはじめるところである。2)細胞株への鉄負荷によるフェリチンタンパク質の動態検出系の確立:細胞株に鉄(FAC300microgram/ml)にて負荷して,鉄ラベルした細胞を用いてフェリチン鉄を誘導,検出する系を確立した。鉄ラベルをした細胞株から細胞抽出液を用意し,抗ヒトフェリチン抗体でフェリチンの発現動態をモニターした。その結果、鉄ラベル24時間後において、もっともフェリチンの発現が亢進することを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の初年度に、鉄代謝に対するSp6の影響を調べるためのin vitroの実験系が確立したことから、今年度はこの系を用いて、酸化ストレスによるリソソームを介した鉄代謝への効果や鉄輸送体分子の動態解明の研究を展開することができるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
Sp6tet誘導系の確立を確認したのち、細胞株への鉄負荷による鉄代謝関連分子の動態がSp6の存在の有無でどのような影響を受けるかどうかをモニターする。とくに酸化ストレスによる細胞内鉄貯留状況がSp6の有無によってどのように変化するかを判定する。その際には,リソソーム機能や形態にどのような変化を伴っているかを観察し、鉄代謝ーリソソームーSp6ネットワークの全体像を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該実験に必要な一般生化学試薬、培養関連試薬、血清、プラスティック器具類の購入と学会発表のための旅費を予定している。
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