Sp6は歯において形態と鉄代謝調節に働くことを見出したことから、Sp6の分化制御における鉄代謝の役割を明らかにするための研究を行った。Sp6 Tgでは、エナメル芽細胞に対する鉄供給は正常コントロールと同じで、細胞内リソソームからのフェリチン・鉄複合体からの遊離不全か、またはその後のエナメル芽細胞からの分泌不全の可能性が明らかになった。そこで、Sp6とリソソーム機能およびSp6と分泌機転との関わりについて、詳細に検討するためのin vitroのアッセイ系の構築を試みたが、tet誘導系の確立に至らなかった。その一方で、Sp6はrock1遺伝子の発現制御を通して分泌制御に関わる可能性を明らかにした。
|