研究課題/領域番号 |
23592737
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
赤松 徹也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (80294700)
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研究分担者 |
細井 和雄 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10049413)
長谷川 敬展 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50447273)
姚 陳娟 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20432750)
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キーワード | 顎下腺 / 腺房細胞 / 発生・分化・再生 / サチライシン様前駆体蛋白質変換酵素 / PACE4 / 水チャネル / AQP5 |
研究概要 |
サチライシン様前駆体蛋白質変換酵素PACE4は、増殖・分化因子前駆体等の活性化に必須のプロセシングを触媒し、唾液腺の発生にも重要な役割を果たすことを明らかにしてきた。 唾液腺腺房細胞の分化・成熟におけるPACE4のより直接的な生理機能を明らかにするため、新生仔ラットの顎下腺に対するin vivo RNAi実験により、PACE4の発現を抑制した場合の影響を解析した。PACE4発現を特異的に抑制するsiRNAを投与後、1―15日目に顎下腺を摘出し、PACE4の発現レベルをRT-PCRで解析したところ、経時的に抑制されることが示唆された。また、同時に組織切片を作製し、TUNEL染色によるアポトーシスの検出を試みたところ、部分的にではあるがTUNEL陽性反応が検出され、アポトーシスの誘導が示唆された。 また、唾液腺は主導管結紮・再開放により、腺房細胞はアポトーシスが誘導され消失するが、導管細胞が増殖して腺房細胞を再生することが報告されてはいるが、その分子機構等は未解明である。本実験系は腺房細胞の分化・再生誘導機構を解明する上でも有用であることから、一部解析を試みた。主導管結紮により、顎下腺は唾液の貯留を伴う腫脹の後、萎縮した。ウエスタンブロット解析により、この間、水チャネルAQP5蛋白質レベルの減少が認められ、少なくとも腺房部がダメージを受けたと考えられた。一方、PACE4については発現の著しい誘導が認められた。主導管結紮1週間後に再開放し、更に1-2週間後に同様に解析した結果、再開放により完全ではないが、AQP5蛋白質レベルの回復が、また、PACE4蛋白質レベルについては減少が、各々示唆された。本実験系により誘導された唾液腺再生時にPACE4の発現が再び強力に誘導されることは非常に興味深く、PACE4の未解明な生理機能を解明する上でも有用である。
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